製作期間1年2カ月!イチから発注した唯一無二のキャンパーシェル【趣味と遊びの秘密基地ギア】
&GP / 2022年9月19日 20時0分
製作期間1年2カ月!イチから発注した唯一無二のキャンパーシェル【趣味と遊びの秘密基地ギア】
【趣味と遊びの秘密基地ギア】
プライベート空間ごと移動できるキャンピングカーは、まさに“大人の秘密基地”。なかでもトラキャンは、日本ではあまり見かけない珍しいジャンルだ。専門家がこだわり抜いた唯一無二のキャンピングカーを紹介しよう!
* * *
緑豊かなフィールドで圧倒的な存在感を放つ、アメリカンスタイルのキャンピングカー。ベース車は、アウトドアフリークに人気の「ハイラックス」。クラシカルなアルミサイディングのシェルにタープを連結して、自然に囲まれながら贅沢なひと時を過ごす…。
ピックアップトラックの荷台に居住用シェルを積載した「トラックキャンパー(トラキャン)」は、キャンピングカーのカテゴリーのひとつだ。日本では全体の1%に満たない少数派だが、ピックアップトラックが文化として根付いている北米ではスタンダードな存在となっている。そんな相棒と共に日本中を旅しているのが、キャンピングカー専門家の岩田一成さん。ハイエースのキャンピングカーを乗り継いで、たどり着いたのが現在のスタイルだという。
トラキャンの魅力は、他のキャンピングカーとは一線を画すアメリカンなビジュアルと、着脱式キャンパーシェルによる2WAYスタイル。普段はシェルを降ろしてハイラックスをファーストカーとして使用し、休日にはシェルを積んでキャンプや旅を自由に楽しめる。
荷台に「どこでも持ち運べるプライベート空間」を積載したトラキャンは、遊び心を忘れない大人の“秘密基地”だ。
キャンピングカーライフ研究家 岩田一成さん
編集工房『HOT MIND』代表。累積1000泊以上のキャンプ・クルマ旅の経験を活かし、雑誌やWEBでコラムや記事を多数執筆。著書『人生を10倍豊かにする至福のキャンピングカー入門』Instagram「@iwata_campingcar」YouTube「IWAチャンネル」
▼岩田さんのハイラックス+J-cabin HN
ハイラックスに積載したキャンパーシェル「J-CABIN HN」は、日本唯一のトラキャン専門店「MYSミスティック」製。COOLなアメリカンスタイルがポイントだ。
>> MYSミスティック
■イチから発注した唯一無二のキャンパーシェル
岩田号のキャンパーシェルは、既製モデルをベースにオプションにはないオリジナルカスタムを20カ所以上追加した“世界に1台のオーダーメイド品”。自分の使い方を熟知した、ベテランらしいこだわりが満載されている。
▼寝室
フロント上部には3名がゆったり横になれるキングサイズのバンクベッド(就寝スペース)を完備。大人があぐらをかいて座れるほど天井が高いので、生活空間としても便利に活用できる。大きな天窓で採光性も抜群だ。
▼キッチン
ガラスカバー付きステンレスシンクと19Lの給水・排水タンクを内蔵したキッチン。右手のサイドテーブルを跳ね上げれば、調理スペースを拡大することも可能だ。上部には、車内調理に必須のレンジフードも完備!
▼リビング
食事や休憩など生活の中心になるリビングエリアは、スライド機構付きの大型テーブルを4人で囲めるレイアウト。外したテーブルを土台にしてマットを敷きつめれば、大人2名が就寝可能なベッドに早変わりする。
▼ルーフベント
天井のルーフベント(換気扇)は、吸気・排気・回転数を自由にコントロール可能。車内調理の換気に役立つのはもちろん、ファンで排気して窓から屋外の空気を積極的に取り込むことで、暑い日でも快適に過ごせる。
▼冷蔵庫
大容量の収納スペースを確保した備え付けの家具内には、65Lの冷蔵庫をスマートにビルトイン。冷凍室も付いているので、キャンプや旅の食材や飲み物のほか、要冷凍のお土産も安心して持ち帰れる。
▼窓
室内に設置された窓は、合計7カ所。アクリル2重窓を採用することで、採光性と断熱性を両立した快適な空間を生み出している。すべての窓には網戸と遮光シェードが装備され、幅広いシチュエーションに対応する。
■家族で過ごすキャンピングカーLIFE
家族と1000泊以上の旅をしてきた岩田さんは、子どもが乳幼児の頃からキャンピングカーで日本中を回り、旅を通して子育てをしてきた。岩田さんにとってキャンピングカーは、“家族の絆を深める最強のツール”なのだ!
そんな岩田さんのライフワークとなっているのが、15年以上続けてきた北海道のキャンピングカー旅だ。毎年夏に家族で北海道に渡り、各地のキャンプ場を巡りながら2〜3週間かけて道内を旅してきた。
もちろん、子どもたちが成長した現在も岩田ファミリーの旅は続いている。今年の夏も青森からフェリーで函館に渡り、日本最北端の宗谷岬まで走破。ロケーション抜群のキャンプ場でゆったりと流れる時間を過ごし、北海道ならではの絶景スポットを巡り、新鮮な海の幸やご当地グルメを満喫してきた。12日間に及んだ北海道旅の累積走行距離は、ナント4000km! 岩田ファミリーの“至福のキャンピングカーライフ”は、これからもずっと続いていくことだろう。
▲中富良野のキャンプ場で名物のジンギスカンに舌鼓。幼い頃から一緒に北海道を旅してきた子どもたちは、頼りになる相棒へと成長
▲北斗市「トラピスト修道院」にて。一般的なキャンピングカーとはひと味違うアメリカンスタイルが、トラキャンの大きな魅力
▲高台のサイトから日本海を一望できる「初山別村みさき台公園オートキャンプ場」。 絶景をバックに、最高のキャンプライフを満喫
▲東京〜青森、函館〜稚内の約1400kmを走破して、最果ての地・宗谷岬へ! 家族で日本最北端を訪問するのは、今回で4度目
■「普段使い」と「レジャー」を分けられる着脱可能なキャンパーシェル
米発祥のキャンピングカー「トラキャン」の最大の特徴は居住部のシェルが着脱式であること。平日は車両単体で買い物や子どもの送迎、仕事に使用でき、休日は荷台にシェルを積載してキャンピングカーとしてレジャーを楽しめる。東京在住の岩田さんがトラキャンを選んだのも、「1台で2WAYの使い方ができる」ことに魅力を感じたからだという。
リモコン式の電動ジャッキでシェルの上げ下げができるため、着脱にかかる時間は降ろすのに6分、積載するのに15分程度。居住用シェルは荷物扱いなので、車両は8ナンバーではなく1ナンバーの普通貨物車登録となる。
※2022年9月6日発売「GoodsPress」10月号34-37ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/神藤剛>
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