“イマドキの初任給事情”を探ってみると新入社員は堅実派で親孝行…一方“退職代行サービス”の需要もアップ 入社3年以内に3割強が辞める
北海道放送 / 2024年4月25日 19時46分
真新しいスーツ姿がまぶしい新入社員たち。一方で、早くも退職を決めた新入社員が利用する「代行サービス」。
そんな中、新入社員にとって、待ちに待った日がやってきました。4月25日は、民間企業の多くは給料日…初任給の日です。
新入社員
「趣味でギターを弾いているので、その機材を買えたらうれしい」
「父親が好きなキャラクターがあるので.ちょっと大きいぬいぐるみとか(を渡した)」
株式会社インプル 西嶋裕二代表取締役CEO
「10年前、20年前と同じ初任給ってのは、なかなか難しいのではないかなと思っている」
“経済の好循環”の掛け声のもと、初任給の引き上げを決めた会社も多い今年。いわゆる「Z世代」は、初めての給料を何に使うのでしょうか?
初めて受け取る給料は、いつの時代も嬉しいものです。
60代
「寮に入っていたので、どんちゃん騒ぎをした…先輩も含めて」
50代
「弟がバンドを始めたいと言っていたので、エレクトリックベースを買って上げた」
阪神淡路大震災が発生し、Windows95の発売で、誰もがパソコンを持つようになった1995年。この年に入社した、北海道内の新入社員たちは…。
1995年当時の新入社員
「(初月給が出たら何に使う?)遊びですね」
「貯金しますね」
「いろいろ支払いに追われて…全部なくなります」
まだ、バブル景気の余韻も残るこの時代、こんな新入社員も―。
1995年当時の新入社員
「(初任給で車を買う?)…と考えてます」
「(いくらぐらいの買う?)160万円くらい」
あれからおよそ30年。今年、札幌市内のIT系企業に入社した新入社員です。
新入社員
「この前、両親が大事にしていたワイングラスを割ってしまったので新しいグラスを買おうかなと。両親にも言われた…割った瞬間に」
「父親が好きなキャラクターがあるので“うさまる”です。ちょっと大きいぬいぐるみとか(を渡したい)」
今どきの親子関係って、友だち感覚に近いんですね。
こちらは、20代の社会人1000人を対象に調べた“初任給の使い道”です。
1位は趣味。2位は『家族へのプレゼント』で、その9割近くが「食事」をプレゼントするそうです。
ちなみに先週、ひと足早く初任給を手にしたHBCの新入社員は…。
HBCの新入社員
「コンビニでちょっと高い醤油ラーメン(700円)を買った!普通のより麺が多かった」
「埼玉の実家にトキシラズを送った。同期に、北海道で一番おいしい鮭は、トキシラズと教えてもらった」
一方、初任給を支払う北海道内企業も、変化の時期を迎えています。
家具・インテリア小売、最大手の「ニトリホールディングス」はこの春、1万5000円アップの27万円(大卒)に。
びっくりドンキーを展開する「アレフ」は、この春の初任給を24万6000円にアップ。
アプリ開発などを行う札幌のIT系企業では、来年度の採用から、条件付きながら「初任給35万円」のコースを新設しました。
株式会社インプル 西嶋裕二代表取締役CEO
「優秀なIT人材を獲得するのが目的。人材獲得競争が激しくなってきてるっていうのと、物価が上がって生活コストが上がってるっていう部分だと思う、その二つが合わさった状況なので、給料は上がっていくのではないかな」
新年度が始まって3週間あまり―。
SNS上には、新入社員と思われる、こんな気になる投稿も…『24卒の新卒だけどすでにやめたい』。
新入社員の主な退職理由は“人間関係”や“入社前と入社後のギャップ”。
そんな中、利用が増えているのが、本人の代わりに会社に退職の連絡を行う「退職代行」サービスです。
2022年からサービスを始めた東京の退職代行、その名も「モームリ」。4月以降、全国174人の新入社員から依頼があり、そのうちの3人が、北海道からの依頼でした。
退職代行モームリ 谷本慎二 代表
「いまは新しい仕事について“毎日楽しく暮らせています”とか“給料が上がった”とか…“人間関係がすごくいい職場で働いてます”とか、そういった声は、かなり多くの方からいただけているので、そういったときは(退職)代行してよかったと思っている」
「自分で(退職を)言えるに越したことはないので、まずは自分で対応してみて、どうしても本当に苦しいというときは、退職代行を最後の砦としてやっていただければいいのかな…」
最近、増えてきている「退職代行」サービス会社をまとめました。それぞれの会社名に注目です。
■【「退職代行」サービス会社】
・「モームリ」(東京)
・「辞めるんです」(東京)
・「トリケシ」(東京)
・「オイトマ」(東京)
・「SARABA(さらば)」(福岡)
取材した退職代行サービスア会社「モームリ」の場合、代行料金は【22000円】です。本人の意思は、会社と本人の間の「退職届」のやりとりで確認されます。
「モームリ」というサービス名は「代表が思いつき、親しみやすくわかりやすいから使っている」と話しています。
北海道内の新入社員は、どのくらいの割合が退職しているのでしょうか。北海道労働局の調査です。
■【新規大卒者の入社3年以内の離職状況】
2020年(令和2)3月の大卒者のうち、入社3年目までに仕事をやめた人の割合は次の通りです。
・【全国】32.3% 【北海道】35.7%
全国、北海道内ともに、大学を卒業後、10人に3人が入社3年以内に辞めていることをデータは示しています。
近ごろは『上司ガチャ』『配属ガチャ』という言葉もよく耳にします。入社してから「あれ…違うな」と、思い悩む若者も少なくないようです。
この春、大学や高校を卒業して就職した皆さんは、学生生活の大半をコロナ禍で不自由を強いられた世代です。苦労をした分、これからの活躍を期待しています。
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