「新型コロナ」5類に移行されて1年「“母の日”に息子が会いに来てくれる」高齢者施設の感染対策にも変化…警戒心が薄まる中で医師の指摘も
北海道放送 / 2024年5月8日 20時10分
ホテルスタッフ(去年5月)
「今度は私たちの番ですね…(マスクを外す)」
私たちの生活を一変させた新型コロナウイルス。その感染症法上の位置づけが「5類」に引き下げられたのが、1年前の5月8日でした。
とよひら公園内科クリニック 藤本晶子院長
「コロナの病気が無くなったわけでないことは…覚えておいてほしい」
この1年で何が変わったのか?そして今、新型コロナと、私たちはどう向き合うべきなのでしょうか。
感染が拡大していた時期は、いつ、いかなる時も着けていたマスク。その着用が自己判断になって1年以上が経ちました。
マチ中では、今もマスク姿の人が、数多く見られます。
街の人は…
(Qマスクを着ける理由は?)
「看護師をやっていて、いまは退職したけれど、その名残があって、ずっと着けている。私が人にうつしたくないというのもあるし、人からうつされたくないというのも正直ある」
「学生の頃からずっとマスクだったので、もう本当に染み付いている…マスクが」
「たぶん習慣になっているというのはあると思う」
共通しているのは「習慣になった」ということ。マスクに違和感を持たない日常が続いています。
一方で、感染対策に神経を尖らせてきた高齢者施設では、どんな変化が?
堀内大輝キャスター
「ここに手指消毒のチェック欄があるんですね」
「札幌こもれびの家」玉村仁一 施設長
「マスクの着用と消毒だけは、入館前にお願いしています」
札幌市中央区にある特別養護老人ホーム「札幌こもれびの家」です。
コロナが5類に移行した当初は、まだ生活エリアの入り口をビニールカーテンで仕切り、消毒や検温、換気などの対策を続けていました。
「札幌こもれびの家」玉村仁一 施設長
(Q以前と変わった部分はありますか?)
「この辺りにビニールカーテンを引いていましたが、撤去しました」
この特別養護老人ホームでは、消毒や換気の徹底は変えていませんが、ビニールカーテンや食卓の仕切りは撤去しました。
そして、大きく変わったのは…。
「札幌こもれびの家」玉村仁一 施設長
「面会する際に、窓を隔てて面会していましたが、窓越し(の面会)はやめて、部屋で会っていただく“対面式面会”を再開しました」
5類への移行を受け、面会は部屋の中で、週に1度、30分まで出来るようになりました。
「札幌こもれびの家」玉村仁一 施設長
「利用者の笑顔や活気も戻りつつあると思います。これが本来の形なのかな…と」
入所者(85)
「お陰さまで30分ですけれど、息子が“母の日”に来てくれる。すごく嬉しい」
“過去のもの”になったかのような新型コロナ。
実際に、この1年で患者に変化はあったのか、クリニックで話を尋ねると…。
とよひら公園内科クリニック 藤本晶子院長
「新型コロナの患者の動向については、増えたり減ったりを繰り返していて、(患者数が)ゼロにはなってないというのが間違いない印象」「“ただの風邪なんだよね”という話もあるし、(コロナに対して)気をつけなくなっている…というのがある」
微熱や軽い頭痛など、軽症のケースが多いことで、警戒心が弱まっているといいます。ただ、見過ごせないのが「後遺症」です。
とよひら公園内科クリニック 藤本晶子院長
「脳に絡んでいるのか、うつになった人もいるし、一番多いのはやっぱり咳が残っているケース」
いま、心掛けることは…。
とよひら公園内科クリニック 藤本晶子院長
「どんなに軽い症状でも“ひょっとしたら…”って、コロナという言葉を思いついてもらって、自分が病気のときぐらいは、マスクをしっかりして、手を洗うというのをやってもらえればいいのではないか」
コロナ禍では、こんな光景が各地で見られました。
掘颯月記者(2021年5月24日取材)
「こちらの集団接種会場には、朝から高齢者の方たちが続々と訪れています」
ワクチン接種の会場には、ワクチンを保管するために、専用の冷凍庫が導入されました。
しかし、行政によるワクチン接種が終了したあと、冷凍庫はどうなったのでしょうか
旭山動物園 中村亮平獣医師
「こちらが譲り受けた“ディープフリーザー”という超低温の冷凍庫になります」
旭川市では、保有していた冷凍庫のうち4台を、旭山動物園へと移しました。中に入っているのは…。
旭山動物園 中村亮平獣医師
「主に動物の血液やフンとか、そういう材料を保存しておくという用途で使っています。(冷凍庫は)もともと2台あって1台が壊れてしまっていたので、何とかやり繰りしていたけれど、それが壊れてしまったら、凍結しておいた血液も、すべてダメになってしまうので」
血液やフンを保管することは、検査や研究のために欠かせないそうです。
旭山動物園 中村亮平獣医師
「貴重な動物をたくさん飼育しているので、その材料を一つも無駄にすることなく保存して、いろんなことに活用することは大事な使命かなと思っています」
ワクチンの冷凍庫のその後ですが、旭川市では27台のうち10台を病院へ譲渡。
残りは動物園、科学館、大学、食肉衛生検査所へ譲渡され活用されています。ほかの保健所管内でも病院、大学などに譲渡されています。
ところで、ワクチン接種自体は、どう変わったんでしょうか?
全額公費によるワクチン接種は今年3月末で終わりましたが、今年度も定期接種があります。
対象は60~64歳で心臓・腎臓や呼吸器の障害などがある人と、65歳以上のすべての人です。
秋から冬の時期に1回、原則有料(最大7000円)で接種します。 なお、対象外の人も全額自己負担ですが、任意で接種できます。
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