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うらやましい。仮面ライダーウィザード。

インフォシーク / 2013年3月13日 10時30分

双子を一人二役をこなす中山絵梨奈。同じ顔なのに、全然性格の違う姉妹を見事に演じ分けている。

青春は一度しかやってこない。そんな青春時代に、男子高に通ってしまった私にとって、共学は眩しい。

高校を卒業して22年経つ今でさえ、同じ制服を着てチャリンコ2人乗り通学する高校生カップルなんぞ見ると、悔しくなるのである。2人の隣をチャリンコで並走して、どんな会話をしているのか、ずっと聞いていたいくらいだ。変態すぎて捕まるだろうから、できないのが残念だ。

我が男子高の通学の思い出は、学ラン率100%の猥談飛び交うスシ詰めバスくらいしか無い。学校に着いても、校内にはパンチパーマで竹刀を持ったサングラス先生が廊下を闊歩し、居合の達人先生に引っぱたかれ、担任の先生から「将来は吉本に行け…」と真面目に言われて、校舎の屋上で味のわからないビールを飲みながら、「なんだ、オレ、大学行けるのか、吉本っていう大学について調べなきゃ!」と本気で希望に胸を膨らませてしまった。そんなバカな青春であった。

余談だが、そんなバカ男子高生活において、一人だけ共学のようにルンルンに過ごしていた友人がいた。在学中はその事実をまるで知らなかったのだが、卒業後、その友人は私にカミングアウトしてくれたのである。「ボク、恋愛対象が男なんだ」。にゃろう、共学どころか、男子高はパラダイスであったのだ! 奴はクラスに恋人もいて、毎朝クラスメイトが通学してくる前に校内デートをしていたらしい。テスト勉強なんかもお互いの家で2人きりでしていたとか。ちくしょう、男子高にして、最高の青春じゃねぇか。

3月10日に放映された仮面ライダーウィザード(第26話)は、舞台が共学の高校であった。ストーリーはやや複雑で、女怪人が高校に通うある女生徒を狙っていることもあり、ウィザードは得意の魔法で男子生徒に変身し、高校に潜入。アシスタントの瞬平も、なぜか女子生徒に女装し、潜入する。ちなみにこの女装はかなり可愛いくて、特に尻の盛り上がり方がよい。結果、ウィザードは校内で女怪人と乱闘になるのだが、そのときに現れた女生徒の友人・マユが、実は女怪人が人間だった頃の双子の妹、という設定だ。

双子というのは、ドラマ上で不思議な魅力を与えることが多いようだ。日本においてその価値観を加速させたのは、私が勝手に双子フェチ疑惑を持っている村上春樹じゃないかと思っているのだが、それは置いておいて、来週放映されるであろう、怪人になった姉と純朴なまま高校生をしている妹との絡みが、とても楽しみである。

それにしても共学というのは、やっぱりうらやましいものだ。シーンの中に、ウィザードが校内で女の子をつかまえてマユのことを聞くシーンがあるのだが、聞かれたあとそのことで女生徒たちはキャッキャッとするのである。ちくしょう、男子高には一切無かったぜ、この空気。

異性の前でカッコつけたり、ドキドキしながら、箸が転がっただけで大笑いできる時間。まさに正しい青春なのである。

それにしても疑問が残る。アシスタントの瞬平が女装をしてまで高校に潜り込んだわけだが、そもそも仮面ライダーウィザードにはヒロイン・コヨミ(奥仲麻琴)がいる。

なぜ、コヨミがやらないのだ!

そもそもコヨミは、ヒロインのくせに出番が少なすぎる。第26話にして、確かセリフが4つくらいしか無かったぞ!

怪人と闘うという過酷な内容ではあるものの、ウィザードもその周辺の登場人物も、必死に青春している。コヨミ、オマエはいいのか。青春は一度きりであり、青春時代にたくさんの愚かさを持たなかった人は中年になってからなんの力も持たない、なんてこともいう。青春の特権は無知であること、ともいう。

そして、チャンスの神様は前髪しかない。

コヨミ、このまま青春という電車に乗らないつもりか!

そろそろコヨミも活躍すべきである。そしてこんな茶化したことを書いてはいるが、仮面ライダーウィザードは面白い。視聴率も上がってきている。気になる方、一度ご覧アレ。

【バックナンバー】仮面ライダー徒然草はこちら

ガッケンター
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「ガッケンターサイト」の運営や、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)の製作をしている。

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