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「シュクメルリ」が90万食の大ヒット 松屋はなぜ世界の珍しい料理に挑戦するのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月22日 7時0分

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松屋の「世界の味」シリーズが好調(同社公式Webサイトより引用)

 松屋の「世界の味」シリーズが好調だ。同シリーズは各国の料理を期間限定メニューとして提供するもの。4月23日からは新商品「ポーランド風ミエロニィハンバーグ」を販売する。今回の新商品は、ポーランド大使館からの“逆オファー”がきっかけで誕生した。

 同社販売促進企画部の熊谷雄樹さんによると、2023年12月にポーランド大使館から「ポーランドの食文化を日本で広めたい」という依頼があったという。この依頼を受けて、ポーランド大使館全面協力の元、開発を進めた。

 開発時に参考にしたのが、ポーランドの家庭料理「ビゴス」だ。ビゴスとは煮込み料理の一種で、現地ではザワークラウトやきのこ、肉などを数日煮込んで作られているという。「今回の新商品はソースにビゴスの要素を加えています」(熊谷さん)と説明する。

 ソースには牛・豚・鶏3種類の肉を使用し、深いコクを引き出した。マッシュルームを組み合わせることで、ビゴスらしさを表現している。また、オールスパイスやしょうゆ、隠し味のカレー粉により、ご飯に合う味に仕上げた。

 ご飯は白米ではなく、コショウを振りかけたバターライスで提供する。濃厚なソースとのバランスを考え、白米をアレンジしたという。ポーランド風ミエロニィハンバーグにバターライスとみそ汁が付いたセット(830円)と、サラダを追加した定食(930円)の2種類を用意した。

●シリーズ誕生のきっかけは東京オリンピック

 「世界の味」シリーズは2020年にスタートした。オリンピックイヤーに合わせ、「世界のさまざまな料理を食べてもらいたい」との思いから始まったという。

 同シリーズでは、これまでにジョージア「シュクメルリ」、フランス「チキンフリカッセ」、イタリア「カチャトーラ」、タイ「マッサマンカレー」、台湾「魯肉飯」、韓国「プルコギ」、ペルー「ロモサルタード」、マレーシア「ルンダン」といった8カ国の料理を、松屋流にアレンジして提供してきた。特にジョージアの郷土料理を再現した「シュクメルリ鍋定食」は大きな反響を呼び、4週間で目標70万食のところ、90万食を売り上げた。

 商品開発において、熊谷さんは「ご飯に合うこと」を最も大切にしているという。「松屋の定番メニューは牛めし、定食、カレーの3種類で、いずれもご飯との相性が良い商品です。世界の食文化を紹介するシリーズでもそこは崩さず、メニュー選びやアレンジを行っています」

 通常の期間限定メニューは初週の売れ行きが最も良く、以降は減少する傾向があるそうだ。しかし、「世界の味」シリーズは期間中の売れ行きが安定しており、同社の人気商品へと成長している。

 ポーランド風ミエロニィハンバーグは、2月20日から1週間ほどテスト販売を実施。目標の1.5倍の売り上げを記録したため、「世界の味」シリーズとして初めての全国販売に踏み切った。販売期間は4月23日から4週間で、目標販売数は80万食としている。シュクメルリ鍋定食の目標70万食を上回る数字だ。

 熊谷さんによると、次回のメニューとして、リトアニア、オーストリア、アルゼンチンの3カ国が候補に挙がっているという。中でもリトアニアとオーストリアは大使館や政府観光局から売り込みがあったとか。松屋が展開する「世界の味」シリーズの今後に注目だ。

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