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AOKIの1着8万円「金のスーツ」が好調 「計画比135%」も売れたワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月24日 6時20分

 「金のスーツ」を購入する層は、スーツを着用する機会が多く、要職に就くことの多い40~50代が中心だという。

 そのほか、2023年10月発売以降、好調を維持し続けている背景には、年末年始のあいさつ回りや、年度末の式典など、季節ニーズにもうまく合致したことも挙げられる。さらに、「金のスーツ」という商品名も高級スーツ需要の獲得に寄与したと栗林氏は語る。「金」という表現には、「高級感」「上質感」を連想させる狙いがあったという。

●「金のスーツ」のこだわり

 「金のスーツ」は、AOKIが展開するパリコレデザイナー島田順子氏監修ブランドの“JUNKO SHIMADA JS homme”のラインアップにおける最上位商品だ。特徴は、上質な素材感と着心地にある。

 素材には、「SUPER150’sウール素材」を使用した。この数字が大きいほどに原毛(げんもう)は細くなるのだが、栗林氏によると「一般的にはカシミヤ製品が同等の細い原毛を採用している。それくらい希少価値の高いものを使っていることで、風合いにつなげた」という。ただし、素材が良くても着心地が悪ければ、当然ながら支持されない。

 そこで「金のスーツ」は、第三者の検査機関に確認してもらいながら開発を進め、創業65年で培ってきた技術力を結集した。立体縫製技術とアイロンワークを用いることで、体に吸い付くような着心地を追求したのだ。

 内側には高級なオーダースーツで用いられることの多い本台場仕様を採用し、表地の生地を内ポケットまで伸ばすことで、内ポケットに名刺入れなどを入れても型崩れしにくい仕様とした。

 さらに、女性目線から見る男性スーツのシルエットの美しさにもこだわった。例えば、上着の裾部分のカットをスクエア寄りではなく、柔らかい丸みのある仕様とし、全体的なセクシーさを演出するなど、細部にもこだわりをのぞかせる。

 構想から発売までに要した時間は1年ほど。他商品と同様の期間だったが、今回は素材と着心地にこだわったため、途中の経過観察に時間を割いたという。「いくら素材がよくても、着づらいスーツは評価されない。そこで、試作品をいくつも作り、着用間を何度も繰り返し確認した」

 店頭で試着する顧客からも、他の商品との違いを体感する好意的な声が多く寄せられているという。

●「金のスーツ」素材のパターンオーダーも開始

 2024年2月からは「金のスーツ」の素材を使用したパターンオーダーのサービスも開始した。同様の上質な生地を採用し、ニーズに応じた対応を可能とし、伸びているオーダースーツ市場でも売り上げを伸ばしていく考えだ。

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