50歳になっても“現役” 日本発の「モンチッチ」は、なぜ7000万体も売れているのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月25日 5時40分
モンチッチというネーミングは、響きのかわいさからフランス語で「私」という意味の「モン」と、「小さくかわいいもの」という意味を持つ「プチ」を合わせた造語だという。おしゃぶりをいつもチュウチュウと吸っていることから、モンチッチの名が付けられた。
「よく『モンキーだからモンチッチだ』と解釈する方も多いが、モンチッチは猿ではなくモンチッチというキャラクター。『お猿のようにかわいい』という表現はするものの、100%擬人化されているキャラクターで、モンチッチも人のようにいろいろなモンチッチがいる」(山口さん)
●人気の理由は、設定に縛られない「自由度の高さ」
このように誕生したモンチッチだが、日本だけでなく欧州や米国、アジア圏など、なぜ異なる文化圏の国々で多くのファンに支持されているのだろうか。
同社ではその理由として、立体(商品)からつくられたキャラクターであるがゆえに、細かなプロフィール設定がなく、楽しみ方の自由度が高い点が挙げられるとしている。
「キャラクター商品はイラストから入るアート先行のものが多いが、モンチッチに関してはぬいぐるみという商品から広がっていった経緯がある。現在はアート商品もあるが、モンチッチというキャラクターについては『絶対にこう』といった設定がない」(山口さん)
「モンチッチを手にした人が、例えば友達、兄弟、子どものように、それぞれが思い思いの感情移入をしている。家に帰ったら『モンチッチ』ではなく別の名前で呼んでいる人もいるほど、自由度の高い点がモンチッチの大きな魅力であり、愛される理由だと感じている」(山口さん)
近年はモンチッチの誕生日である1月26日に合わせて東京駅で期間限定ショップを開設し、撮影会も行うなど、オフラインのイベントにも力を入れている。ファン同士がそれぞれの“マイモンチッチ”を持ち寄り、異母兄弟のように交流している姿も見られるという。
性別は分けているものの、年齢や居住地などの細かなプロフィールはなく、日本にいるモンチッチもいれば海外にいるモンチッチもいる。公式のプロフィールに縛られることなく、自由に楽しめる点が魅力の1つといえる。
●約10年の「休み」期間を経て、苦労したこと
冒頭でも触れたが、モンチッチには50年の歴史の中でフランスを除いた国で販売を一時休止していた時期がある。理由は「メーカーとして別のものに注力するためだった」としているが、あくまで休止期間であり、その間も同社には多くのファンから熱心な声が届き続けていた。
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