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「ワニの涙」を信じますか? ロッテ裏金疑惑に揺れる韓国経済

Japan In-depth / 2016年9月24日 23時0分

「ワニの涙」を信じますか? ロッテ裏金疑惑に揺れる韓国経済

李受玟(イ・スミン/韓国大手経済誌記者)

最近、韓国では「ワニの涙(crocodile tears:そら涙)」が話題になっている。エジプトのナイル川に住むワニは人を食った後、悲しいように涙を流すという伝説に由来したこの言葉は、通常は選挙で勝った政治家が流す偽善的な涙を意味したが、今回は少し違う。主人公は政治家ではなく、誤った企業経営のせいで国家経済を危険にさらした企業のリーダーだった。

■始まりは韓国財界第5位のロッテグループ

8月26日午前7時ごろ。 ソウルから車で1時間ほど離れた京畿道のある散策路で木にネクタイで首をつって死んだ人が発見された。死者は李仁源(イ・インウォン)ロッテグループの政策本部長(副会長) と明らかになった。

李副会長は同日午前9時30分、ロッテグループの総額2,000億ウォン(約181億円)の不正疑惑を捜査しているソウル中央地検に被疑者として出頭して、横領や背任の容疑に対する調査を受ける予定だった。しかし、自身の死によって言いたい言葉をすべて封じてしまった。遺体の隣に捨てられた李副会長の車には彼が直接書いた遺書もあった。

被疑者の予想しなかった自殺にグループの重要人物たちを対象としていた検察の捜査は一時的に中断された。李副会長は共に検察に召喚されたファンガクギュ政策本部運営室長(社長)と一緒に辛東彬(シン・ドンビン)ロッテグループ会長の家臣とされる人物だ。(注1)

トップ一家の仕事やグループの大小事はもちろん、系列社の経営まで総括する人物だっただけに、検察は李副会長を調査すると、グループが長い間秘めてきた内部の不正が明るみになると見ていた。しかし、李副会長の死で、実体的に真実に近づく道が閉ざされたという指摘が検察の内外から流れた。警察は万一、あるかもしれない他殺の疑惑をなくすために、職権で捜査もした。

この中に辛会長が流した涙が世人の注目を浴びた。 27日、李副会長の殯所を訪れた彼は自分と十数年をともにした側近の遺影写真の前で涙を流した。 しかし彼の悲しい表情と涙が予想外の社会問題になった。

李副会長が検察捜査を前にして命を断った後、彼の死を伝える記事には自殺の背景とグループ内部の秘密を気にする人の声が多数寄せられた。ネイバーやダウムのようなポータルサイトと主要マスコミのサイトでは「辛会長の涙を信じられない、これはワニの涙だ」とか「(李副会長が)自殺で終わりを結ぶしかなかった理由が知りたい」、「(ロッテグループはむしろ)検察捜査が終わってよかったのではないか」などの書き込みを容易に見つけることができた。

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