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スポーツ選手のセカンドキャリア

Japan In-depth / 2016年9月25日 7時0分

ただ対応するだけと、戦略的に仕掛けていくのではやがて大きな差ができる。例えば、今受けている密着取材と、別の局からきている取材がかぶっているとしたら、迷惑をかけないためにうまく内容を調整する。少し見せたい姿と違う演出だとしたら、こういうやり方に変えていただけませんかと提案し返す。飽和して飽きられないように量をコントロールする。様子を見て、何が一番この選手が輝くのかを見極めながら、かつトレーニングできるバランスを保ちつつそこに集中していく。一つ一つの判断は、全て選手の将来から考えていく。

その選手は将来どんな選手になりたいのか。プロ的な活動か、安定した収入を得て職人的にやるのか。引退後はコーチか、それともテレビか、または会社に残るのか、起業か。そのためにやっておくことはなにか、会っておくべき人は誰か。世の中にどう認識されておけば将来に有利か。どう認識されれば夢から遠のくか。ロンドン五輪のメダリストを思い出そうとしても、全てが難しいように、選手が世の中に認識されている時間は短い。そのブームの最中は永遠にこれが続くんじゃないかと思うのだけれど。

世の中が注目するような結果はトップアスリートでもそう何度もない。その瞬間に何を発信するか、どう印象づけるか。黒子の働きは大きい。二度目のメダルの時、断るときや印象が悪くなる場面では必ずマネージャーがやってくれ、私はにこにこ現場で対応すればよかった。自分の代わりに悪く言われる役割を引き受けてくれた人間がいることで、相当に救われたことを今も思い出す。

(為末大HPより)

 

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