スピード出し過ぎで負けたサムスン 再起可能か?
Japan In-depth / 2016年10月20日 10時32分
結局、サムスン電子は、グループの研究所と政府機関に分析を依頼し、バッテリー自体の欠陥はないが、外部の衝撃で発火するという答えを得た。しかしスマートフォンを落とすことはいつでもある。消費者はGalaxy Note7を避け始めた。サムスン電子はこれ以上後退する場所もなかった。最後の決断がくる時だった。
今月11日、Galaxy Note7の販売と交換をすべて停止するという発表は、事態がさらに拡大することを防止しようとするサムスン電子が出した決断だったが、次の悪い道が待っていた。販売を強行して人がけがをしたり、死亡したりするかも知れない。ブランドのイメージは取り返しのつかないところに落ちてしまったが、最後まで行くのではない。そういう面で追加発火の可能性を事前に断ったサムスン電子の選択は正しかった。しかし、この事態が売上に残した影響は否定できない。
サムスン電子は今年4四半期から来年1四半期までGalaxy Note7の販売の機会を失うことで、被る損失が3兆ウォン(約2760億円)以上に達すると発表した。今までの販売中止による直接的な費用は既に4四半期の業績に反映したが、少なくとも2四半期以上の売上が打撃を受けると予想される。一部メディアでは北米地域のブラック・フライデーなど、スマートフォン販売シーズンの第4四半期に6兆ウォン程度の売り上げが発生する機会が空中分解したと報道した。
これについてサムスン電子のコミュニケーションチーム(広報部)は「Galaxy S7とS7エッジなど既存商品の販売を拡大して早めに正常化する計画だ」と話した。にもかかわらず、主要モデルの空白があまりにも大きいため、2011年以降続いていた『年売り上げ200兆ウォン』が実現されることはないと思う。
一方、Galaxy Note7の事態の根本的な原因は『技術開発競争のスピード出し過ぎ』のせいだという指摘も強がっている。世界のスマートフォン市場の成長の鈍化がますます進行し、消費者の目を引くことのできる新しい技術の開発に追い込まれた各社が無理にスピードを高めたということだ。特にIT分野の専門家たちは、グローバル・スマートフォンの市場の1位であるサムスン電子が今の席を守る同時に革新的な技術を出さなければならない、この二つの目標のため、競争を限界まで推し進めたと判断した。IBK証券の李・スンウ研究員は「サムスンの強さはスピードだが、協力社の技術力とスピードを考慮せず独走したのが原因だ」と語る。誰よりも早く、最高の機能を数多く搭載しなければならないという目標が、現在の技術の状況と合わず生じた問題という意味だ。
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