今から「次の震災」に備えよ・続【2024年を占う!】その1
Japan In-depth / 2024年1月12日 23時0分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
林信吾の「西方見聞録」
【まとめ】
・災害のたびにデマが拡散する。
・一般市民は地震発生後72時間は現地に行かず、人命救助の邪魔をしないこと。
・首都直下地震は明日起きるかも知れない。物理的にも精神的にも準備を整えておくこと。
正月元旦から、大変なことになってしまった。
1日16時10分、能登半島沖でマグニチュード7.6の地震が発生。石川県で最大震度7を観測した。
多数の建物が倒壊し、津波にも襲われ、被害は日本海沿岸の幾多の街に及んだ。
地震発生後72時間(これについては、後述)を目前にした、4日16時の報道によれば、81人の死亡が確認された他、18時の時点で179人の安否が不明となっている。
まずは安否不明とされている方々のご無事と、全ての被災者が1日も早く日常を取り戻せることを願う他はないが、同時に、看過できない事態も発生している。
震災直後から、SOSと称して具体的な住所氏名に加え、
「家の下敷きになっています」
といったSNS上での発信が多数見られるようになったが、メディアが検証したところ、実在しない住所が書かれていたり、要するに偽情報が多かったという。これを真に受けて拡散した結果、救助活動の足を引っ張る結果を招いた例も少なくない上、募金詐欺と見られる投稿も相次いだ。
専門家の見立てによると、こうしたことが起きる背景には、愉快犯だけでなく、ツイッターがXに変ったことで、投稿の表示数に応じて収益が得られるシステムになったことも関係していることが疑われるそうだ(朝日新聞デジタルなどによる)。
岸田首相も2日の記者会見で、
「被害状況などについての虚偽情報の流布は決して許されるものではない」
「こうした行為は厳に慎んで欲しい」
などと語った(日本経済新聞電子版による)。
女優の広瀬アリスも、3日までに自身のX(フォロワー145万人とか)を更新。彼女は地震発生直後から、
「今の私にできることは、情報を拡散させることしか出来ないから、みんな一端拡散してほしい!お願い!」(原文ママ)
と呼びかけて、避難場所や避難所で役立つ情報を転載し続けているが、中には偽情報もあったとのことで、
「こんな時にデマ流すヤツ、ヤツって扱いで良いよね?人としてちゃんと軽蔑するからしっかりブロックする。以上」
と怒りを露わにしていた。
「増税メガネ」と美人女優と、どちらの言葉が心に響いたかは、まあ人それぞれであろうが、私が看過できない事態と述べたのも、このことである。
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