3.11の教訓は、能登半島地震に生かされたか
Japan In-depth / 2024年3月12日 21時0分
自然災害はどこでもだれにでも降りかかる可能性がある。そうしたに、どうすべきか。家族でよく話し合っておくことが必要だ。
▲写真 津波で運ばれ、金融機関の建物に突っ込んだボートと自家用車(2011 年3月18日宮城県石巻市)出典: Chris McGrath/Getty Images
■ 孤立集落支援にドローン活用
もう一つ、今回の教訓として感じたことがある。
道が寸断され、多くの集落が孤立し、長い間物資が届かなかった。これは事前に容易に想像できたはずだ。
発災食後、すぐにドローンで物資を運べばいいではないか、と思ったが、一向にそうしたニュースは流れてこなかった。むしろ、自衛隊員が支援物質を背負って徒歩で孤立集落に向かっていた。その映像を見て、一体なぜ?と思っていたら、国がドローンの飛行を禁止したからだった。被災者を救助するためにヘリコプターが飛ぶので危険だからという理由だった。飛行禁止期間は1週間に及んだという。
実際に被災地にすぐ入ったドローン業者から聞いたが、医薬品や水、食料など運べたはずなのに、結局その間なんの活動もできなかった、と話し、悔しさをにじませた。
こうした反省から一部の県では、災害時のドローンの飛行ルールについて協議を始めたと聞いた。遅きに失している。
ドローンはヘリコプターとは飛ぶ高度が違うと思うし、ルールさえきちんと決めておけば、災害時に大いに役に立つはずだ。どの自治体も、検討したらいいと思う。
■ 避難所の環境改善
災害が起きるたび、避難所の状況を見て、何とかならないものか、と思うのは筆者だけではあるまい。いくらなんでも床に雑魚寝はないだろう。
東日本大震災後開発された段ボールベッドや、間仕切りなどが、能登半島地震でも配備されたが、発災直後から使えるようにしておかなければ意味がない。そのためには、避難所に備蓄するか、もしスペースがないのなら、自治体のしかるべきところに一括備蓄しておくべきだ。
また、コストの兼ね合いになるだろうが、欧米では簡易ベッドを備蓄しているようだ。アウトドアで使うようなものではあるが、もともと持ち運びができるようにコンパクトに収納できるので、簡易ベッドの備蓄も考えてもいいだろう。
▲写真 豪雨による洪水でスポーツセンターに避難する人々。簡易ベッドにマットレスを敷いている。10人超が死亡、約1万人が避難した(2023年5月18日 イタリア北部 エミリア・ロマーニャ州 ルーゴ)出典:Antonio Masiello/Getty Images
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