カザフスタン鉄道と中国企業が合弁で西安に物流センター開設(カザフスタン、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月14日 0時35分
中国西安市で2月28日、カザフスタン物流センターの開所式が行われた。カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領もオンライン形式で出席した(大統領府ウェブサイト2月28日)。
中国最大規模の西安ドライポート敷地内にある同物流センターは、カザフスタン鉄道(KTZ)と中国の西安自由貿易港によって建設された。習近平国家主席が進める「一帯一路」構想の一環として、カザフスタンと中国の間で立ち上げたプロジェクトで、2023年5月に西安で開催された「中国・中央アジアサミット」(2023年5月23日記事参照)を機に建設がスタートし、同年12月から試験運用を行っていた。敷地総面積は約6.7ヘクタール(注)で、貨物倉庫とコンテナ保管庫を備える(中国中央電視台3月4日)。ターミナルの年間処理能力は6万6,500TEU(1TEU=20フィートコンテナ換算)。両社が設立した合弁会社が物流センターを管理する。開所式では、欧州行きのコンテナを積んだブロックトレインの初便が西安を出発した。カザフスタン領内を通り、カスピ海を渡った列車はアゼルバイジャンのバクーまで11日で到着する。
物流センター開所式に合わせ、アスタナのKTZイノベーションセンターの開所式も行われた。同センターはKTZと中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が共同で設立したもので、デジタル技術を駆使して鉄道輸送の効率化を目指すとしている。
トカエフ大統領は「鉄道にITソリューションを積極的に導入することで、輸送効率の向上とコスト削減が図られ、経済発展に強力な推進力を与える」と述べ、デジタル化の推進が競争力を高めると強調した。
KTZの2023年の収益は前年比29.3%増の1兆9,000億テンゲ(約5,700億円、1テンゲ=約0.3円)、純利益は同社最高となる1,540億テンゲ(2022年の4倍)と好調だ(大統領府ウェブサイト2月1日)。トカエフ大統領は同社に対し、さらなる飛躍のため投資計画を継続するよう指示している。同社は、地政学リスクで需要が高まるカスピ海横断国際輸送路(TCICR)開発のため、2023年5月にシンガポールの物流大手PSAインターナショナルと物流分野でデジタルエコシステム導入のために合弁会社を設立している(フォーブスKZ 2023年5月22日)。また、西安自由貿易港と共同で、カザフスタン南部の最大都市アルマトイに10ヘクタールの物流ターミナルを建設中だ(カザフスタン鉄道ウェブサイト2023年10月27日)。
(注)中国中央電視台の記事によると、100亩(ほ)で、ヘクタールに換算したもの。亩は中国の尺貫法による土地面積の単位で、1亩は約6.667アール。
(増島繁延)
(カザフスタン、中国)
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