怖いくらいリアルな赤ちゃん人形、購入者は「子どもを授かれない夫婦」だけじゃなかった
週刊女性PRIME / 2024年4月12日 6時0分
本物の新生児にそっくりなほど精巧に作られた人形、「リボーンドール」が今、SNSを中心に注目されている。1990年代にアメリカで子どもを亡くした夫婦に向けてセラピードールとして作られたのが起源だそう。
購入者が胸に秘めた思い
購入するのは主に子どもを授かれなかった夫婦というわけではない、と国内でリボーンドールの製造・販売を行っている『リボーンドール工房POPO』のオーナー・ぽぽさんは言う。
「購入者の95%が女性ですが、年齢層は10代からご高齢の方と幅広いです。子どもがいて新生児の可愛さを知っていて昔のことを思い出したいという人もいれば、ご高齢の方で孫が生まれたタイミングで欲しくなった、お人形が好きだからなどさまざまです」
海外からリボーンドールを輸入し、販売している『リボーンドールベビー』を運営する臼井聡子さんは、購入する人には胸に秘めた思いがあるという。
「小さいときに両親にあまり可愛がってもらえなかった、子どもが生まれなかったり亡くなったなどの事情があります。注文すると何か月かかかるのですが、その間にベビー服やベビーベッドを用意するなど疑似妊娠体験をする時間も含めて楽しんでいる方もいます。
購入者のほとんどが女性ですが、赤ちゃんが大好きで購入された男性もいます。あるおばあさんは戦争で子どもを可愛がる暇もなかったから、ゆっくり赤ちゃんを抱っこしたい、と求められました」
『POPO』が扱う商品は1体あたり10万円ほど。製造にはこだわりを持っているという。
「髪の毛にこだわっています。つむじの渦巻きがあったり、頭皮が透けて見えるよう細い毛を1本ずつ植えています」(ぽぽさん)
ネット上では《怖い》という声もあるが…
横向きになって後頭部が見える状態で寝ている姿は、本物の新生児と見分けがつかないほどだ。
『リボーンドールベビー』では、20センチ以上のサイズだと100万円近いものも売っており、肌触りがポイントだそう。
「肌に医療用シリコーンを使用した場合は、肌触りも本物にかなり近い弾力のあるものができます」(臼井さん)
そのリアルさゆえにネット上では《怖い》という声もあるが、まずはリボーンドールを知ってほしいという思いが2人ともあるという。
「リボーンドールは推しのような存在です。推しがいると見るだけで明るくなれると思いますが、リボーンドールも同じで元気がもらえる存在のひとつであることを知ってもらえたらうれしいです」(ぽぽさん)
「私自身、3番目の子どもでとても悲しい経験をしました。そのときはまだ、リボーンドールの存在を知らなかったのですが、もし知っていれば気持ちはまったく違っていたと思います」(臼井さん)
リボーンドールは人形の域を超えて、購入者の心もリボーン(再生)させているよう。
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