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シート寝かせて片手でハンドルくるくる…「ヤンキー運転」やってない? 何がダメ? 悪い運転姿勢で事故が多発する訳

くるまのニュース / 2023年8月26日 10時10分

最近、若いドライバーの軽微な事故が増えているようですが、その原因のひとつが「悪い運転姿勢」にあるといいます。どんなものが悪い運転姿勢で、それはなぜダメなのでしょうか。

■若者に多い!?「悪い運転姿勢」ってどんなもの?

 最近、若いドライバーの「うっかりミス」による軽微な単独事故が増えているようです。
 
 狭い道で曲がりきれなかったり、避けたはずのポールに引っ掛けてしまった、高速道路のSA/PAで隣のクルマと接触してしまった、バンパーやドアなど外装部品をキズつけてしまったといったものですが、どうやら「運転姿勢の悪さ」が原因となっている面もありそうです。
 
 運転姿勢が適切でないため周囲の状況が視認できず、または操作の遅れが事故につながっている可能性が否定できません。「悪い運転姿勢」とはどのようなものなのでしょうか。

 知らず知らずのうちに悪い運転姿勢になっていることがあるかもしれませんが、それは「正しい運転姿勢」が堅苦しく感じるからでしょう。

 そんななか、教習所の元教官I氏は、「シートをペダルに近づけて背もたれを立てているのはダサい」という心理も働いているのではないかと指摘します。

 教習所では窮屈な運転姿勢だった反動で、免許取得後は運転に慣れているように見せるために楽な姿勢を取りたがる人がおり、とくに若い男性にその傾向があるようです。

「教習所では、必要以上に手前の運転姿勢を良しとする傾向にありますが、これは咄嗟の操作をするうえで非常に重要な姿勢だからです。

 背もたれを起こすのは、しっかりした周囲の視界を確保するためですし、シートがペダルに近いのはしっかりとペダルを踏んでも余力がある状態にするためです」

 教習所で教わった「ハンドルを10時10分の位置で持つこと」や「バックミラーやサイドミラーの調整」、「ペダルをしっかり踏めるまでシートを前方にスライドする」は、実はプロのドライバーもやっている基本姿勢。

 それがなぜか、背もたれを倒し、ペダルに足がギリギリ届く位置へとシートを後退させ、片手で運転するほうがうまく見えると勘違いしている人も多いといいます。

「いわゆるヤンキー運転ですね。シートバックを倒して伸び切った片手でくるくるハンドルを回す姿勢ですが、そうなるとクルマの死角はさらに増えますし、咄嗟のブレーキ操作では踏力が足りず、結果として止まれないという事態に陥ることもあります」(教習所の元教官 I氏)

 前述の、若いドライバーに多い軽微な単独事故は、どうやらこの「悪い運転姿勢」が大きな原因となっている様子。背もたれを寝かせすぎて周囲の障害物が見えなかったり、狭い場所でのハンドル操作が遅れたりして事故を起こすケースが多いようです。

※ ※ ※

 一方で、女性ドライバーの多くは前過ぎる運転姿勢の人が多いのが特徴だといいます。というのも、できる限り前方をより近くから見えるようにとの意識が強く働くからとのこと。

 ただし、前のめりの姿勢では背中とシートの間に隙間ができ、体が固定されないので不安定な姿勢になりやすいといいます。

「不安定な状態で姿勢を保とうとするので、余計な力が入るため疲れやすくなってしまいます。

 また、ハンドルに近づいた態勢だと、万が一の事故の際にエアバッグが近すぎて、衝撃を吸収するどころか逆に怪我の原因になってしまう恐れもあります」(教習所の元教官 I氏)

■ついやりがちな「片手12時ハンドル」が実は危険!

 悪い運転姿勢はともかく、あまり感心できないのが「片手ハンドル」での運転です。

 なかでも多いのは、時計の12時の位置(ハンドルの上部中心あたり)を軽く押さえるスタイルで、そういった姿勢の人はアームレストやセンターコンソール、または窓枠に反対側の肘をついているでしょう。

 やはりハンドルは常に両手で握っておくべきなのでしょうか。

姿勢が崩れた片手運転は危険姿勢が崩れた片手運転は危険

「ハンドルは必ずしも両手で握らなくても、道路交通法違反には該当しません。ただし咄嗟の操作がしづらいということは間違いないでしょう。十分な操作ができずに、普通なら避けられた事故を起こしてしまうこともあります」(教習所の元教官 I氏)

 この片手12時ハンドルは、いわゆるヤンキースタイルの代表ともいえ、シートに浅く座り背もたれが倒れているので、体が斜めに傾いているケースがほとんど。ハンドルから遠いだけでなく、メーター類も見えにくいと思われます。

 さらに、今や標準装備となったエアバッグは、正しい運転姿勢に対してはじめて効果を発揮するもの。とくにサイドエアバッグなどは、崩れた運転姿勢では効果が薄れてしまうでしょう。

「本人は運転がうまいつもりなのでしょうが、実は運転がヘタだと周囲にアピールしているようなものです。なにせ正確な操作すらできないのですから。

 しかも実は無理な姿勢のために逆に疲れやすくなってしまったり、腰などに負担がかかってしまうのです。すぐに改めたほうが良いでしょう」(教習所の元教官 I氏)

 では、正しい運転姿勢は、教習所で習ったように、シートをかなり前の方へ出してハンドルも近いポジションが正解なのでしょうか。

「元教官として教習所で教えていた立場からすれば、あのポジションを否定することはできないのですが、そこまでガチガチでなくても良いとは思います。

 クルマは加減速を繰り返す乗り物ですから、できる限りシートには深く腰かけ腰を安定させることで体が前後に動いてしまうことも減ります。

 シートの位置は、ブレーキペダルが思いっきり踏み込めるところまで調整し、ハンドルの9時15分あたりを両手で握って、腕が伸び切らない程度まで背もたれを起こしてください。それだけで自然と正しいポジションになると思います」(教習所の元教官 I氏)

 この「9時15分」のポジションは、プロドライバーも推奨する自然なポジションで、手の親指の付け根(掌底部分)あたりをハンドルに押し付けるように握ると操作しやすいといわれています。

「ABS(アンチロックブレーキシステム)は目一杯踏んで初めて作動します。軽くしかブレーキを踏めない状態では、万が一のアクシデントを回避できません。

 現代のクルマはブレーキサポートや衝突被害軽減ブレーキなども装備されていて、安全性は高まっているものの、クルマを操作しているのはドライバーです。

 正しい姿勢はカッコ悪いという変な思い込みは捨てて、むしろ正しい運転姿勢のほうが疲れにくくコントロールもしやすいので、運転がうまくなると思います」(教習所の元教官 I氏)

※ ※ ※

 自分ではカッコ良いつもりの運転姿勢が、逆に運転しづらく、事故の原因になることがあります。

 とくに、片手12時ハンドルでは姿勢が崩れて疲労の原因なるとのこと。シフト操作の都合上、片手運転になることはありますが、すぐに両手が使えるポジションを確保しておくことが、安全運転につながるというわけです。

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