難治性卵巣がんの治療抵抗性を引き起こす細胞間の協調作用を発見
共同通信PRワイヤー / 2024年4月26日 10時0分
注4)多重抗体染色
特異的抗体を用いて、複数のタンパク質の発現を同一組織切片上で検証する蛍光多重免疫組織化学技術。本研究では、Vectra Polaris(Akoya Biosciences社)による多光スペクトルイメージングシステムが用いられた。
注5)オルガノイド・スフェロイド培養
実際の臓器の構造や機能を模倣する微小な3D細胞集合体を実験室内で育てる培養技術であり、特定の臓器に特有の細胞や組織構造を再現しうると考えられている。がんを含めた疾患モデルの作成、薬剤スクリーニング、再生医療などの研究に利用されている。
注6)HIF-1(Hypoxia-Inducible Factor 1)
低酸素状態に反応して活性化し、遺伝子の発現を調節する転写因子として発見された。HIF-1の活性化は、がんの進行や虚血性疾患など、さまざまな病態の発生と深く関連する。本研究においては、低酸素以外の要因による誘導の可能性も考えられている。
注7)PDGF(Platelet-Derived Growth Factor)
血小板由来成長因子と呼ばれ、細胞の増殖や分化を促進するタンパク質。傷の治癒、血管新生、線維芽細胞の活性化などの生理的プロセスに関与し、細胞膜レセプターへの結合を介して、さまざまな細胞タイプの成長と発達を調節する。過剰なPDGFシグナルはがん病態の進行に関与することも知られている。
注8)受容体型チロシンキナーゼ阻害剤
細胞表面にある特定の受容体型チロシンキナーゼの活性を阻害する薬剤であり、がん細胞の成長や分裂を促進するシグナル伝達経路を遮断することで、さまざまながん腫の治療に用いられる。
注9)Shiokawa et al., 2020, Cancer Res., vol.80, 4451-4464,DOI: 10.1158/0008-5472.CAN-20-0378
Ohata et al., 2023, Cell Rep., vol.42, 112519, DOI: 10.1016/j.celrep.2023.112519. Epub 2023
論文掲載
本研究成果は、米国科学誌「Cell Reports Medicine」のオンライン版で掲載されました。
掲載日時:2024年4月26日(日本時間AM0時)
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