大好きな“推し”の踊りを完コピする青春…全国の大学に広がる「アイドルコピーダンスサークル」 大阪公立大「にゃん恋」に聞いた、彼女たちの“原動力”
まいどなニュース / 2024年4月7日 18時18分
歌って踊るアイドルのダンスを完全コピー(完コピ)して、大学内外のイベントで披露するサークルが、大阪公立大学にある。サークル名は「にゃん恋」。彼女らはなぜアイドルダンスを完コピして踊るのか、メンバーの「はるにゃん」さんに聞いた。
幼い頃テレビに映るアイドルグループのダンスを真似して踊っていた
アイドルコピーダンスとは、アイドルの楽曲の振り付けを完コピして踊ること。独自の振り付けで踊る「カバーダンス」とは違い、コピーダンスはオリジナルの振り付けで踊ることが原則だという。
アイドルコピーダンスのサークルは、他にも全国いくつもの大学にある。あまり耳にしたことがない活動に興味を惹かれた筆者は、自身の地元にある大阪公立大学アイドルコピーダンスサークル「にゃん恋」に取材を申し込んだ。
「にゃん恋」のチームコンセプトは、チームカラーである恋ピンク(やや濃いめのピンク)に象徴されるような「可愛さ」や「恋するような、恋したくなるような女の子」。大学内外のイベントに参加したり、全国の大学にあるアイドルコピーダンスチームと日本一の座を競い合う大会「UNIDOL(ユニドル)」に参加したりしている。
メンバーの増減はあったものの、サークル発足から今年で11年。昨年は大阪市の都島区民センターで、10周年の記念公演を行った。現在は、法学研究科法学政治学専攻の「はるにゃん」さんほか4人のメンバーと1人のスタッフ、計6人の構成だ。
「にゃん恋」にはリーダーがいないそうだが、はるにゃんさんが大学院生で最年長のため、自然とリーダー的な立場になることが多いという。
どういうきっかけで、アイドルコピーダンスを始めたのだろうか。
「私は、幼い頃にテレビで観ていたAKB48などのアイドルを、可愛いな、一緒に踊ってみたいなって思って、真似して踊っていました。それが下地みたいになっていて、4回生のときサークルに参加しました」
オリジナルへのリスペクトがあってこそのアイドルコピーダンス
はるにゃんさんに、敢えて硬い質問をしてみた。アイドルコピーダンスをする目的は何だろう。
「私はアイドルがすごく好きで、“推し”と同じ動きができることが嬉しい。それが根本にあって、メンバーのみんなと一緒に、選曲、振り、衣装など全て含めて、ひとつのステージを自分たちでつくる楽しさがあります」
必ずアイドルのダンスを完コピするのがルールなのだろうか。
「独自の振り付けをすることもありますが、オリジナルがあってこそのアイドルコピーダンスサークルなので、そこはリスペクトしなきゃいけないという想いがあります」
「にゃん恋」のメンバーは全員が女子で、他大学のチームも、ステージで踊るのは女子だけ。男子が加わっているチームもあるそうだが、男子は音源や映像の編集をしたりイベントのチケットを管理したりするなど、チームのサポートを担当しているという。
「にゃん恋」にはサークルを掛け持ちしているメンバーがいるので、練習は週に2回3時間程度。その練習方法が、アイドルの映像を見て真似をするだけではなく、はるにゃんさんが編み出した独自の方法があるという。オリジナルのダンス映像を言語化し、必要に応じて図式もつくってノートに記し、サークルのメンバーに伝えるそうだ。
「練習時間を最大限効率的に使えるようにしようと思った結果、私はこの方法がいちばん良かった感じです。映像を逐一確認していたら、その時間がロスになっちゃうんで」
気になるのが、活動資金だ。
「自腹になるときもありますけど、できるだけ、例えばステッカーやTシャツ、ブロマイドなどのグッズを制作してサークルファンディング(販売)した売り上げを充てています」
衣装の制作は、ミシンを所有しているメンバーは自分で、それが難しいメンバーはスタッフにお願いするそうだ。
地元の地域にファンを増やしたい
大学の内外にファンがいる「にゃん恋」。今後は地元の地域へファンを広げたいという。
「学祭に来ていただいたり、地域のお祭りに出演させていただいたりするコミュニティをつくれたらいいですね。私の意見ですけど、アイドルコピーダンスで大阪公立大学とその周辺を盛り上げていけたらいいなっていうのが、いちばん大きな目標です」
直近の出演予定は、4月20日と21日に大阪公立大学杉本キャンパスで行われる「ふたば祭」でのステージが控えている。
「応援していただけたり見に来ていただけたりすることが、自分たちの励みになっています」
やりがいをもって、そして楽しんで、さらに誰かに元気を与えることに喜びを見出している「にゃん恋」だった。
(まいどなニュース特約・平藤 清刀)
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