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『アイドルマスター シンデレラガールズ』声優が“ファンからアイドルの声を担当してソロ曲を歌うまで”──西園寺琴歌、八神マキノ、南条光役声優が明かす収録秘話

ニコニコニュース / 2023年6月7日 18時0分

 『アイドルマスター シンデレラガールズ』(『デレマス』)の歴史は長い。

 2011年にMobageにてリリースされたソーシャルゲーム『デレマス』を原点とし、2015年には音楽ゲームアプリ『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』(『デレステ』)を送り出すなど、いまなおその世界観を広げ続けている。

 歴史もさることながら、驚くべきは本作に登場するアイドルの人数で、総勢190人。ボイスが実装されているアイドルに限っても96人に及ぶ。

 ゆえに『デレマス』に登場するアイドルたちにとって、ソロ曲とは、そのアイドルの個性を最大限に花開かせることのできる場。いわば“名刺代わりの一曲”だ。

 2023年6月7日、西園寺琴歌、八神マキノ、南条光3人のアイドルたちのソロ曲が収録されたCDが発売される。

 今回、ニコニコニュースオリジナルでは、CD発売に合わせて、西園寺琴歌役の安齋由香里さん、八神マキノ役の二ノ宮ゆいさん、南条光役の神谷早矢佳さんの3人にインタビューを実施。

 じつは、演じるアイドルのオーディションを受ける以前より、『デレステ』をプレイしていたお三方。ソロ新曲の収録秘話や楽曲の魅力についてはもちろん、オーディションにて役を射止めるまでのエピソードにも話は波及。

 加えて、「シンデレラガールズ」【※】の新たな仲間として迎え入れられた際の思い出もたっぷり語っていただいた。

※ 『デレマス』にてアイドルたちを演じるキャスト陣の総称。

左から、八神マキノ役の二ノ宮ゆいさん、西園寺琴歌役の安齋由香里さん、南条光役の神谷早矢佳さん。

・安齋由香里さんTwitterアカウント
・二ノ宮ゆいさんTwitterアカウント
・神谷早矢佳さんTwitterアカウント

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・『アイドルマスター シンデレラガールズ』声優陣はプロデューサーの期待とどう向き合ったのか? 辻野あかり・久川颯・ナターリア役声優が明かす収録秘話

文/レットイット山本
編集/竹中プレジデント
撮影/かちゃ

担当アイドルを演じる以前から『アイドルマスター』シリーズのファンだった

──本日はよろしくお願いします! 長い歴史を誇る『アイドルマスター』シリーズに、『デレマス』登場アイドルのボイス実装という形で「シンデレラガールズ」の一員となったお三方ですが、事前情報によると声を担当する以前から『デレマス』をプレイしていたとお聞きしています。

安齋:
 『アイマス』シリーズも『デレマス』も声優になる前から大好きな作品でした!

 声優1年目のころから事務所の方にたびたび「『アイマス』のオーディションってありませんか!?」って聞いていたくらいで……なので、琴歌のオーディションは、まさに念願の機会でした。

──好きな作品に登場するアイドルを演じるチャンスが巡ってきたわけですから、純粋にうれしいですよね。

安齋:
 いざオーディションに臨んだ際には、緊張のあまりボロボロと泣いてしまったんですが……スタッフさんがたくさん声をかけてくださって、『デレマス』の現場ってなんて温かいんだろうと胸がいっぱいになりました。

 これはもう、落ちてもいい思い出になるし、今後の励みにもなるだろうと思って、「たくさんお話をしてくださってありがとうございました!」って伝えて帰宅したことを覚えています。

──すると、合格と聞いたときには安齋さん自身ものすごく驚かれたのではないでしょうか?

安齋:
 本当に、現実が受け止めきれないというか、マネージャーさんから電話で合格の連絡をいただいたときも半信半疑でした。自分は夢を見ているんじゃないか……と。メール(文章)で合格の知らせがきたときに、ようやく実感が湧きました。

──二ノ宮さんも、八神マキノ役のオーディションを受ける以前から『デレステ』をプレイされていたんですよね。

二ノ宮:
 はい。私も由香里ちゃんと同じで、マキノちゃんのオーディションを受ける前から『デレステ』はプレイしていて、声優として『アイマス』シリーズにはいつか関わりたいという思いをずっと持っていました

 ただ、何度か受けた『アイマス』関連のオーディションではよい結果に繋がらなくて。回数を重ねるごとに自分の中でもどんどん焦りが出てきて、「私にはご縁がないのかな」と悩んでいたんです。

 そんななか、マキノちゃんのオーディションを受けることになったんですが……私はクール系の女の子に目がないので、コミュ(ストーリー)を読んで彼女を知っていくうちに「この子、めちゃめちゃ好きだな!」って“マキノ沼”にハマってしまって! どうしてもマキノちゃん役に受かりたかった私は作戦を立てたんです。

──おおっ!? その作戦とは?

二ノ宮:
 これまでの経験から『アイマス』のオーディションにスタッフさんとの質疑応答の時間が設けられていることを知っていたので、そこでの受け答えを事前にシミュレーションしておいたんです。

神谷:
 すごい! マキノちゃんばりにデータを集めて、傾向と対策バッチリで向かったわけだ!

二ノ宮:
 そうとも言えるかも(笑)。「これだけ対策していってダメだったら後悔はない」くらいの勢いで臨んだので、合格の連絡をいただいたときには飛び上がるくらい嬉しかったですね。

 「マキノちゃんに懸けてよかった。生涯この子を大事にしていくぞ!」という気持ちが、そこでグッと湧きました。これまでのすべては、マキノちゃんに出会うためにあったんだって心から思えました。

──神谷さんも南条光の声を担当する以前から『デレステ』をプレイされていて、新田美波のプロデューサーであることも公言されていましたよね。

神谷:
 はい! 新田美波担当を自称させていただいております

──声を担当する以前は光ちゃんに対してはどのような印象をお持ちでしたか?

神谷:
 美波を中心に高校生以上のアイドルを主に応援していたので、光のことをちゃんと知ったのはオーディションを受けることになってからでした。

 光のプロフィールを読み込みながら、「ハンバーグが好きなんだ、私も同じだな」とか、「ここは私とは考えかたが違うな」とチェックをつけていったりして……台本を読んでいくうちに、一見ボーイッシュな子かと思いきや、特撮が趣味というだけで結構ふつうの14歳の女の子なんだなと。

 オーディションではスタッフさんと、「小さいころはよくサッカーとかやっていました」とか「ひざを擦りむいてよくお母さんに怒られていましたよ」なんて話もした覚えがあります。

──そんなおてんばエピソードも、スタッフさんには好印象だったのかもしれませんね。

神谷:
 ただ、それ以上に忘れたくても忘れられない“やらかし”をしてしまって……オーディションの時間を間違えて1時間早く会場に着いてしまったんです。

 光のオーディションが事務所に入って初めてのオーディションだったので、緊張しながら「よろしくお願いします!」と入っていったら、スタッフさんから「神谷さんは1時間後です」と。

──まさかのミスですね……。

神谷:
 そのときは頭が真っ白になってしまいました。会場の近くで時間を潰して1時間後に戻ったら、スタッフさんたちが「おかえりなさい」と迎えてくださって。そのときは本気で、「ああ、終わった……」って思いました。

キャストひとりひとりが責任を持って作り上げていく“シンデレライズム”

──もともと好きな作品で、憧れでもあった「シンデレラガールズ」の仲間入りをしたわけですが、実際に一門に入ってみていかがでしたか? 現場の雰囲気で印象に残っていることがもしあれば。

二ノ宮:
 先輩キャストさんたちの演じるアイドルへの想いや理解度がとにかくすごいんです。ライブのときにも先輩たちは振付や演出について「ここはこうしてみたい」という提案をスタッフさんにガンガンされているんですよ。

 そうやって、キャストさん自身が誰よりもアイドルや楽曲のことを理解して、提案し、自分たちでライブを作り上げていこうとしているからこそ、プロデューサーの皆さんの期待を上回るライブが毎回できているんだなと感じます。

安齋:
 振付としては同じだとしても、このアイドルならこう動く、このアイドルならこう見せる、というのは私たちキャストが確立していかないと……というのはより意識するようになりました。

神谷:
 そう。全部を指示通りにこなすだけではなく、演じる私たちキャストがアイデアを出し合ってライブを作り上げていく先輩たちの姿を見て、自分たちもその想いを引き継いでかないと! という責任感のようなものが生まれたと思います。

二ノ宮:
 先輩たちが積み重ねてきた歴史の重みはひしひしと感じますし、同時に私たちも、そんな“シンデレライズム”を繋いでいきたいです。

──ひとりひとりの愛がすごいですね。キャストさんからの提案に対してスタッフさんたちはどういう反応なんでしょう? 

二ノ宮:
 提案に対しては「やってみようか」と前向きに受け止めてくださることが多いですね。

安齋:
 提案に対して「じゃあこういう風にするのはどうかな?」と、こちらの提案を受けての新しい案を提案してくれて、それがライブで反映される……みたいなこともよくあります。

神谷:
 ざっくりとしたイメージを伝えても、それをしっかり受け止めてくださる。

二ノ宮:
 たとえばダンスの振付で「ここの振りのニュアンスを少し変えたいんです」と提案すると、すぐに演出家の方に連絡してくれるよね。演出家さんからもすぐに「OKです!」とお返事があって。

神谷:
 すごいスピード感だよね。

二ノ宮:
 つねにキャスト・スタッフ間で話し合いながら、ベストな形を追求していこうとする雰囲気が築き上げられているんだなと感じます。

安齋:
 いいものを作ろうという想いがみんなそれぞれあって、それが集約されてライブが作られているんだなと、「シンデレラガールズ」の一員になって改めてそのすごさを実感しました。

初ライブでは先輩キャストから手厚いサポートが

──そんなライブにお三方が初共演したのが2021年11月【※】。安齋さん、二ノ宮さんにとっては『デレマス』でのライブ初出演の場でもありました。

※「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th ANNIVERSARY M@GICAL WONDERLAND TOUR!!! Celebration Land」Day2

安齋:
 琴歌役として、初めましてのステージ、初めましての曲たちだったので本当に緊張しました。

 ただ、先輩のみなさんがリハーサルのときからすごく優しくしてくださって。「We’re the friends!」を一緒に歌った、るるさん(城ヶ崎美嘉役の佳村はるかさん)にも手厚くサポートをしていただきました!

二ノ宮:
 るるさんー! 私も本当にお世話になっています。もう「シンデレラガールズ」にとっての、“みんなのお姉ちゃん”なんですよね。

安齋:
 私はライブ前ってガチガチに緊張してしまうタイプで、けっこうひとりでいることも多いんです。

 そんなときに、るるさんはスッと隣に座ってくださって。いい意味で緊張感は保ちつつも甘えさせてもらえるみたいな……そんな雰囲気がある方なんです!

二ノ宮:
 そうそう! るるさんが隣にいてくださると、すごく落ち着くよね。

安齋:
 るるさんには、歌唱中に顔を見合わせるポイントとか、セリフの掛け合いなど、いろいろな部分で相談に乗っていただいたり、松嵜麗さん(諸星きらり役)からもお花の髪飾りを付けることを提案いただいたり。

 初めてライブでご一緒して、「先輩がたはこうやってライブに向けて準備をされているんだ!」ってたくさん勉強させてもらいました。

──同じく初ライブだった二ノ宮さんにとってはどのようなライブでしたか?

二ノ宮:
 私は、由香里ちゃんと井上ほの花ちゃん(浅利七海役)と一緒に歌った「Let’s Sail Away!!!」のほかに、「メッセージ」、「Trancing Pulse」の2曲も歌わせていただきました。

 もともとマキノ役をいただく前から『デレステ』はプレイしていたんですが、数ある曲のなかでも「Trancing Pulse」は最初に好きになった曲だったので、セットリストを見て「えっ!?」って卒倒しそうになりました……。

──好きな曲をまさか自分が……と。

二ノ宮:
 一方の「メッセージ」では、同じ事務所の憧れの先輩でもある大橋彩香さんとご一緒できたことが本当に嬉しかったです! やっぱりずっと第一線で活躍されてきた方で、『デレマス』でも島村卯月ちゃんを担当し、皆さんをリードされてきた方なので。

 この場を借りて白状すると……当時のリハーサルの際に、私と大橋さんのふたりで歌っているところを録音した音声チェック用のデータをもらえたんですが、そちらは大切に保存していて、いまでもよく聞き返しています(笑)。

──世には絶対に出回らない激レア音源ですね(笑)。神谷さんは2018年9月に開催されたライブ【※】が初出演の舞台でしたが、印象に残っていることはありますか?

※「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS SS3A Live Sound Booth♪」

神谷:
 私の場合、そもそも声優としてデビューしてから3ヵ月目くらいのころに、「ライブやります。場所はヤマダグリーンドーム前橋です」って突然の連絡からのライブ参加だったので、正直頭が追いついていなかったですね。

 もう何をしたらいいかわからなくて、静かに座っているしかない状態だったんですが……そうしたら、のじょさん(城ヶ崎莉嘉役の山本希望さん)が「かみちゃんって、これが初出演とは思えないくらいに落ち着いてるよね」って声をかけてくださって。「(落ち着いているように見えるのは)何をしたらいいのかわからくて……」と返したことを覚えています(笑)。

──(笑)。

神谷:
 あと、私のときは、ボイス実装同期組の深川芹亜さん(喜多日菜子役)と、森下来奈さん(鷹富士茄子役)の3人でのゲスト出演という形で、しかもサプライズ出演だったんです。

 ステージのスクリーンに3人のアイドルのイラストがバーン! と映し出された後にキャストが登場するという演出だったから、「プロデューサーさん達はどんな反応をするんだろう」とめちゃめちゃ緊張しました。

安齋:
 私たちの初出演のときも、あんな感じで登場することになるのかな……? って思ってビクビクしていました(笑)。


おてんばお嬢様の決意に満ちた西園寺琴歌ソロ曲「セレブレイト・スターレイル」

──ここからはみなさんのソロ曲についてお聞きしていければと思います。まずは琴歌のソロ曲「セレブレイト・スターレイル」ですが、最初に聞いたときどのような印象を受けましたか?

安齋:
 琴歌のソロ曲は、以前参加した「メモリーブロッサム」のようにふんわりとした雰囲気を予想していたので、最初に「セレブレイト・スターレイル」を聞いたときは驚きました。

 デモテープの段階でも管楽器系の音が賑やかに響いていて、「新しい琴歌の一面に出会えそう!」とワクワクしましたね。

──華やかながらも非常にエネルギッシュな一曲になっていますよね。琴歌がこれまで歌ったことのないような曲調というか。

安齋:
 確かに。私も意外でした(笑)。

 今回のソロ曲は、「どやふんす」や「はりきりお嬢様」的な琴歌の持っている側面がフィーチャーされた楽曲だったのかなって。「品のあるお嬢様」とはまた違った琴歌の魅力を知ってもらえる曲なんじゃないかと思っています。

──これまでとは違う琴歌の一面を知れるのが楽しみです。

安齋:
 歌詞についても、琴歌自身の意思が見える曲になっていると思います。

 「線路がなければ敷くの」というフレーズから始まって、琴歌がアイドルをするうえでの芯の強さみたいなものも感じられたので、収録の際にはいつも以上に“声を前に飛ばす”というイメージで歌いました。

THE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.

──「貴方まで届けたいの」という歌詞もありますし、彼女の気持ちが前に出ている楽曲なんでしょうね。

安齋:
 そうだと思います。琴歌の気持ちが、曲を聴いてくれているプロデューサーのみなさんに届くように、歌詞を読み込んだり歌いかたを試行錯誤したり……収録を通して彼女のことをさらに知れました。

──これは歌詞に注目したいですね。ちなみに、収録の中で大変だったことって何かありましたか?

安齋:
 サビの息継ぎです! どこで息継ぎをすればいいのか……。いずれライブなどで披露させていただく機会に備えて、肺活量を鍛えないとってすごく思いました(笑)。

──(笑)。サビでいうとハイトーンも印象的でした。よくこんなに高い声が出るな……と。

安齋:
 じつはCDに採用されているテイクは原曲から半音上げてもらったものなんです。

──ええっ⁉ 

安齋:
 「セレブレイト・スターレイル」は、低音から高音までかなり幅がある曲で、元々のキーだと歌に表情が乗せづらい箇所があったので相談させていただきました。

THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 064 西園寺琴歌
CD購入ページはこちら

すべてが彼女の罠かもしれない八神マキノソロ曲「ノーチラスソナー -Nautilus Sonar-」

──続いて、マキノのソロ曲「ノーチラスソナー -Nautilus Sonar-」についてお話を聞かせてください。

二ノ宮:
 マキノちゃんのソロ曲はアップテンポに盛り上がるカッコイイ系の曲になるのかなと思っていたので、「ノーチラスソナー -Nautilus Sonar-」の、しっとりと始まっていく感じには思わず聞き入ってしまいました!

──確かに。まさに深い海に沈み込んでいくような曲調と歌詞が印象的でした。

二ノ宮:
 AメロからBメロにかけては、目をつぶっているマキノちゃんの周りをデータの波が渦巻いているようなイメージが浮かびました。

 ただ、そこからサビに向かっていくなかで、どんどん音が増えて盛り上がっていくところに、彼女らしい雰囲気や空気感を感じられたりもして。もちろんアップテンポな曲もマキノちゃんには似合うんですけど、本当にぴったりなソロ曲だなと思いました。

──歌詞の中では「私」と「キミ」という2名の登場人物が描かれていて、どこか意味深ですよね。

二ノ宮:
 そうですね。歌詞を読んでもらうとわかるのですが、かなりラブソング色も強い曲なんですよ。私も「マキノちゃん意外と大胆!?」なんて思っちゃって。

 でも、彼女は論理的に戦略を立ててアイドルをしている子でもあるので「もしかしたらこの曲も彼女の罠なのかも……?」なんて思いながら、私は収録していました。

THE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.

──たとえ罠でもいい……そう思えちゃいます。歌う際にはなにを意識されましたか?

二ノ宮:
 彼女の本性を見せるところと隠すところの緩急を曲の中でつけるというのはユニット曲を歌うときも意識している部分なのですが、今回のソロ曲ではとくに気持ちを強く出せるところは気持ちで歌いました。

 普段見せないちょっと切ない感じの表情や弱いところを見せてくる、彼女の生の感情を表現できるように……もしかしたらこれもマキノちゃんの策略なのかもしれないんですが(笑)。

 これまでのユニット曲では「もっとクール目に」というディレクションが多かったんですけど、今回は気持ちのまま歌ってもOKになるテイクが多かったので、マキノちゃんの新しい一面が出ているんじゃないかと思います。

──ソロ曲ならではですね。

二ノ宮:
 はい! 彼女に踏み込んでみたくなるけどうかつに踏み込むと危ないかも……みたいな、マキノちゃんの魅力も詰まっている曲だと思います。

THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 065 八神マキノ
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迷いも笑顔で振り払って爽やかに歌い上げる南条光ソロ曲「サイン・オブ・ホープ」

──光のソロ曲「サイン・オブ・ホープ」では、彼女のヒーロー観や正義観が真っ直ぐに歌い上げられていてかっこいい曲ですよね。

神谷:
 ド直球のヒーローソングですよね。

 「ヒーローヴァーサスレイナンジョー」のようなどっしりしたサウンドでくるのか、はたまた最近の特撮ヒーロー主題歌のような感じでくるのか気になっていたんですが、いざ聞いてみたら、爽やかエモいめちゃめちゃカッコイイ曲で。こんな素晴らしいソロ曲をいただいて、光も嬉しかっただろうなって。

──曲調もそうですが歌詞もいいですよね。

神谷:
 歌詞も本当に素敵で。光の理想としているヒーロー像みたいなものが語られつつ、「正義ってなんだろう?」と葛藤しているところなんかもちゃんと織り込まれているんですね。

 とにかく真っ直ぐにヒーローを志している光のそういった内に秘めた苦悩も歌うということで、私自身もどう歌ったらいいかとたくさん考えて収録に臨みました。

──歌うときの気持ちの違いみたいなのはあったんでしょうか?

神谷:
 これまで光として歌うときは、近くにいる誰かではなく姿も見えないくらい遠くに届けるイメージで歌っていたんですが、今回のソロ曲では、歌詞に込められたひとつひとつのメッセージをしっかり届けるということを意識しながら歌いました。

──メッセージをしっかり届ける、ですか。

神谷:
 「サイン・オブ・ホープ」はカッコよくて疾走感のあるメロディーなのですが、私は曲調にノリすぎると言葉が流れていってしまうというクセがあって、スタッフさんからは「もっと言葉のひとつひとつを大切に歌いましょう」というディレクションをいただきました。

THE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.

──なるほど。収録でのディレクションでほかに何か印象に残っていることはありますか?

神谷:
 「もっと笑顔で」というディレクションでしょうか。

 収録のとき、音程を合わせてテンポに乗って、そして言葉を大切にしてと、いろいろ意識しながらとにかく歌っていたら、笑顔で歌うことを忘れてしまっていたみたいで……。

 私、「もっと笑顔で歌って」とディレクションいただいた箇所には、ニコちゃんマークをメモ書きするようにしているのですが、収録に使った歌詞カードを家に帰って見返してみたら、もう余白がニコちゃんマークだらけになっていたんです(笑)。

一同:
 (笑)。

神谷:
 収録中の私、どんだけ必死の形相で歌っていたんだろう、みたいな(笑)。そんなニコちゃんマークの導きもあり、最終的にはとても爽やかな感じに仕上がったと思います。

THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 066 南条光
CD購入ページはこちら

ライブ披露待ち遠しい3人のソロ新曲、ぜひ聴いてみてください!

──最後に、ソロ曲を心待ちにしているプロデューサーのみなさんに向けてメッセージをお願いします。

安齋:
 琴歌の「セレブレイト・スターレイル」は、ソーシャルゲーム版『デレマス』の「はりきりお嬢様」や『デレステ』の「おてんばスタートレイン」といったイラストを、つねにイメージしながら収録しました。

 琴歌のキリッとした眉だったり、瞳の強さだったり、張り切っている姿だったりを声に反映させるためにいろいろと試行錯誤をしたので、琴歌の「どやふんす」みたいな持ち味も含めて、芯の強さが伝わるような曲になっているんじゃないかなと思います。

 プロデューサーさんやアイドルのみんなと関わっていくなかで、いままで知らなかったことを学んで成長した琴歌が、自分の成長を踏まえたうえで「この道を行くんだ!」と宣言するような、彼女の強い意思も見える一曲なので、ぜひたっっっくさん聞いていただけたら嬉しいです!

二ノ宮:
 「ノーチラスソナー -Nautilus Sonar-」を歌うなかでは、マキノちゃんが普段見せないような切なげな表情であったり、弱みみたいな部分であったりと、彼女の生の感情が見え隠れしているような緩急を大切にしました。

 個人的に今回のソロ曲は、“もう一度、八神マキノに恋をする曲”だと思っているんです。“私”が“キミ”に向けて歌っているというストーリーの曲でもあるので、ライブなどで披露させていただく機会があれば、そのときは私たちふたりだけの空間にいるように感じてもらえるような、皆さんにドキッとしてもらえるような雰囲気にしたいと思っているので、ぜひ楽しみにしていてください!

神谷:
 「サイン・オブ・ホープ」の歌詞の中には、「さぁ、もっともっともっともっともっと」のように、皆さんを煽るような箇所がいくつもあるんです。これから言うことは、あくまで個人的な希望ですよー! 単なる希望なんですが……もしライブで披露することがあったら、プロデューサーさんにはぜひ、喉が張り裂けるくらい声を出していただきたいなと思います(笑)。

 この曲は、皆さんの声があって初めて完成するんじゃないかとも私は思っているので。ぜひプロデューサーさんには聞き込んでいただいて、一緒に歌っていただけたら嬉しいです。私としても、全身全霊を懸けて声援をあげたくなるようなステージを作り上げたいと思っていますので、よろしくお願いします!

▶6月16日20時より「もっと!デレステ★NIGHT「CINDERELLA MASTER 064-066 西園寺琴歌・八神マキノ・南条光」&「廻談詣り」発売記念生放送」


 三者三様の決意で臨んだオーディション、ライブ初出演時の思い出や「シンデレラガールズ」の先輩方からの学び、そして待望のソロ曲レコーディング──と、安齋さん、二ノ宮さん、神谷さんの「シンデレラガールズ」としてのこれまでの軌跡をたっぷりと振り返らせていただいた今回のインタビュー。

 皆さんのお話を聞けば聞くほど、その足跡をたどればたどるほどに、お三方がこうして「シンデレラガールズ」の一員として新たに加わってくださったことは、奇跡ではあっても偶然ではない、“必然”であったのだという思いが筆者の中で強くなっていった。
 
 であれば、安齋さん、二ノ宮さん、神谷さんが、今回の「CINDERELLA MASTER」を通じて一堂に会したという巡り合わせも、必然が生んだ新たな“縁”なのだろう。

 まずは今回のCDのドラマパートにて琴歌、マキノ、光が共演を果たしたことを盛大に祝しつつ、3人が今後どのような物語を紡いでいってくれるのかにも注目したいところだ。

 そんな、3人のアイドルたちが手にした初のソロ曲は、どれも“名刺代わりの一曲”の領域に留まらない、アイドルとしての彼女たちの新たな一面や可能性が垣間見える楽曲になっていたことも印象深い。

 『デレマス』の初期から現在にいたるまでの長い歴史の中で、それぞれのキャラクターが個々に、アイドルとして、人間として成長していった部分。安齋さん、二ノ宮さん、神谷さんが各々のボイス担当アイドルと出会い、アイドルと二人三脚で刺激し合ってお互いに成長していったがゆえに生まれた要素などが詰め込まれたメモリアルな楽曲になっていると感じた。

 「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 064-066」の発売の折にはぜひくり返し耳を傾けつつ、ライブでの初披露を期待していきたい。

 CD購入はこちらから!!

安齋由香里さん、二ノ宮ゆいさん、神谷早矢佳さん直筆サイン色紙をプレゼント!

 インタビュー後、安齋由香里さん、二ノ宮ゆいさん、神谷早矢佳さんの3人に色紙へ直筆サインを書いていただきました。今回はこのサイン入り色紙を抽選で1名様へプレゼントします!

 プレゼント企画の参加方法はニコニコニュースTwitterアカウント(@nico_nico_news)をフォロー&該当ツイートをRT。ご応募をお待ちしています。

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