政府は国民にコロナ禍の「新・新生活様式」を出すべき~緊急事態宣言解除
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年3月18日 11時35分
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月18日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。首都圏1都3県の緊急事態宣言が正式に解除されるニュースについて解説した。
政府が首都圏1都3県の緊急事態宣言解除~正式決定へ
菅総理)21日に期限を迎えます緊急事態宣言については、解除する方向で明日(18日)、専門委員会の先生がたに意見を伺った上で最終的に判断したい。このように思います。
菅総理大臣は3月17日夜、総理官邸で記者団の取材に答え、首都圏1都3県で継続している緊急事態宣言を3月21日までの期限で解除すると表明した。
解除には慎重な姿勢であった菅総理
飯田)正式決定は18日以降ということになりますけれども、産経新聞が13日にスクープのような形で出してから、徐々に固まって来たという感じですかね。
鈴木)解除か、継続か、意見は二分する。そのなかで、私が聞いていた限りでは、菅さんは「水曜日くらいまでは数字を慎重に見よう」と言っていたようです。数字というのは、「感染者数よりも病床使用率をじっくり見る」ということで、菅総理自身は、まだ慎重な姿勢があったと思います。しかし、政権内や官邸のなかには、「もう、これは解除した方がいい」という意見も当然あった。このなかで、数字を見て、菅さんが判断したのだろうという気がします。
「もう打つ手がない」政権幹部
鈴木)まず言っておきたいのは、ある閣僚と政権幹部に「どうなるのですか」と取材をしたら、「もうこれ以上手がない」という言い方をしていたのです。緊急事態宣言をしてここまで来て、感染者数がそれほど減らないし、底を打っているような感じもある。でも、「手がない」と言うのは違うのではないでしょうか。打つ手は他にもあります。やっていないことが、まだたくさんあるでしょう。
今後の医療体制、病床を確保すること
鈴木)今回の解除でポイントになるのは、同時に何をメッセージや政策として出すのかということだと思うのです。いままでと何も変わらないのではなく、解除するからには、いちばんは医療体制だと思うのです。病床使用率が、いまは下がっているけれども、感染が増えたら一気に上がります。そこをしっかり確保する。それから、変異株ですよ。この検査もまだまだ温いので、これをどうするのか。変異株は早く見つけて隔離するしかないわけですから、これもまた病床の問題にもなります。
飯田)まさにそうですよね。
高齢者が一般病院の退院後に行く療養病院が満杯
鈴木)私が3週間くらい前に取材したのは、病床というのは重症患者を看る病床だけではなく、高齢者の場合は、治療して治りかけのあとに療養病院のようなところに行くのです。社会に出て行く手前として。
飯田)家に帰るにはまだ回復し切れていないという人たちですよね。
鈴木)ここが満杯なのです。そこから先、「治った」と言って、家に帰ろうと思っても、いまは訪問介護が少ないから、家には帰れない。しかし、老人ホームは「治った」と言ってもその人を受け入れない。
飯田)条件が厳しいところも多いですよね。
鈴木)療養病院の担当の先生を取材しましたが、ここがまだ詰まっています。こういう療養病院を受け入れるような体制をつくるとか、この辺りの問題をどうするのか。
事業規模に合わせた経済支援をするべき
鈴木)あともう1つセットでやって欲しいのは、やはり経済支援です。これは、「解除したからお客さんが戻る」という話ではないのでね。飲食店を含めて事業規模に合わせた経済支援が必要だと思います。
飯田)事業規模に合わせて。
鈴木)いま、来年度予算をやっているでしょう。だから、なかなか言いにくいかも知れませんが、いきなりになりますけれど、新年度の補正のような形でもいいから、こういうものをセットでやって、初めて解除ということなのではないでしょうか。この辺りは19日に菅さんが記者会見をするのでしょうけれど、私たちはしっかりそこを見ておきたいです。
飯田)サービス業や宿泊、旅行業はピンポイントで甚大なダメージを受け続けています。
鈴木)もう限界を超えているわけでしょう。
飯田)今回また解除と言っても、東京都は夜9時までの時短要請を続けるのだと。時短の協力金は4万円に下げて出すというようなことも出ています。
飲食店に時短要請するのではなく「これならばいい」という具体的な「新・新生活様式」を出すべき
鈴木)でも、単に時短の話ではないですよね。これまでの経験を活かして、新生活様式ではなく、「新・新生活様式」。「これならば会食してもいいですよ」という具体的なものも、できればセットで出して欲しい気がします。
飯田)近々では、「お花見に行っていいのか、いけないのか」というような話になるでしょうからね。
鈴木)「これならばいい」という。私たちは1年間経験をして来ていますから。これを活かした「新・新生活様式」というようなものを出すべきだと思います。
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