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中国車には100%関税課すと言う一方で、TikTok規制法案に反対するトランプ氏の真意

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年3月18日 18時5分

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米ニューハンプシャー州ラコニアで演説するトランプ前大統領(アメリカ・ニューハンプシャー州ラコニア)

ジャーナリストの須田慎一郎が3月18日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。米大統領選について解説した。

米ニューハンプシャー州ラコニアで演説するトランプ前大統領(アメリカ・ニューハンプシャー州ラコニア)=2024年1月23日 AFP=時事 写真提供:時事通信

米ニューハンプシャー州ラコニアで演説するトランプ前大統領(アメリカ・ニューハンプシャー州ラコニア)=2024年1月23日 AFP=時事 写真提供:時事通信

トランプ前大統領、メキシコで生産される中国の車に「100%の関税課す」と演説

トランプ前大統領は3月16日、中西部オハイオ州の集会で演説し、11月の選挙で大統領に返り咲いた場合には、メキシコで生産される中国メーカーの車に「100%の関税を課す」と表明した。また、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画も「私なら許さない」と改めて表明した。

飯田)トランプvsバイデンでほぼ決定ですが。

須田)現状ではトランプ前大統領とバイデン大統領の支持率もほぼ拮抗しており、若干トランプ前大統領が上回っているかという状況です。特にカギを握るのは激戦6州ですが、これについてはトランプ前大統領がリードしている。前回の激戦州の状況を見ると、2020年の選挙ではバイデン大統領の4勝2敗なのですよ。そのため、やはりここが大きなカギを握ると思います。激戦6州に関しては、現状すべての州においてトランプ前大統領が有利です。このまま11月5日の投票日を迎えれば、トランプ前大統領に軍配が上がる。ただ、その間に何が起こるかはわかりません。

中国の車には100%の関税を課すと言う一方で、TikTok規制法案には反対するトランプ氏

須田)アメリカの経済政策や外交政策は、すべて政治的な思惑がバックについている。トランプ前大統領はメキシコで生産される中国の車に「100%の関税を課す」と表明しました。貿易論を知っている人間からすると「100%の関税とは何だ?」と思う一方、先立って下院で成立したTikTok規制法案に関しては、トランプ前大統領は反対しています。

飯田)そうですよね。

須田)ここでは中国側に立ったような発言をし、車に関しては反中国的な発言をしている。それもすべて、国内政治の思惑によって動いているわけです。TikTokに関しては民主党が主導し、なおかつ議会で成立したらバイデン大統領がすぐ署名するというようなスタンスなので、反バイデンだから「俺は反対だ」とする。

飯田)「バイデン印の法案なんて呑めるか」と。

TikTokの大株主がトランプ氏に巨額の政治献金を行っている

須田)もう1点、トランプ前大統領の政治資金の問題もあります。TikTokの大株主で投資家のジェフ・ヤス氏は、トランプ氏に対して巨額の政治献金を行っているのです。そのため、TikTokの経営にとってマイナスになるような政策には反対している可能性があります。政策や政治資金の問題によって、方向性が大きく変わってくるかも知れません。

4つの刑事裁判も抱え、政治資金がいくらあっても足りないトランプ前大統領

飯田)2016年の選挙でヒラリー・クリントン氏を破ったときは、大口の献金がなく、草の根の献金やトランプ氏自身のお金も使っていたと言われています。今回に関しては、大口献金もかなりあるのですか?

須田)一部集まっていますし、何よりも、いまトランプ氏は4つの刑事裁判を抱えています。これに関して巨額の裁判費用が掛かっており、「政治資金がいくらあっても足りない」というような状況です。

飯田)弁護士を雇う資金なども含めて。そうすると、大口献金者の言うことも一部は聞かなければならない。

須田)言うことを聞いているかどうかはわかりません。しかし、そういう関係性があることは理解しておく必要があります。

大口献金者と政策の中身は完全にリンクしているケースが多い

飯田)台湾メディアなどでは、「お金でいろいろ変わるのではないか」と危惧するような報道がありますね。

須田)どういうところが、どういう思惑で政治献金を行っているのか。その結果、どんな発言が出ているかを考えなければなりません。ただ、これはトランプ前大統領だけではありません。バイデン大統領もそうですし、ほとんどの大統領候補、あるいは過去の大統領選挙を見ても、大口献金者と政策の中身はリンクしているケースが多いのです。

飯田)アメリカはそういう国だと。一定の許可、資格を取ればいい。

須田)ロビー活動が許されている国ですからね。

マーケットの公平公正を阻害する政治的な思惑

飯田)中国だけでなく、いろいろな国が影響力を行使しようと動くかも知れない。日本はどうなのですか?

須田)日本はロビー活動が下手なのですよ。

飯田)USスチール買収の中身を見ると、「むしろこちらが助けるという話ではないのか」と日本人としては思いますが。

須田)企業買収問題は公平公正なマーケットにおいて決めるべきなのに、政治の思惑を反映させてしまうと……。アメリカを象徴するようなUSスチールという企業が日本企業の支配下に入ると、イメージ的な問題として許容しにくいことはわかりますが、経済の原理原則、自由貿易体制によって大きなメリットを受けてきたのはアメリカ経済ではないですか。そこに対して政治的な思惑を影響させると、自己否定になってしまうのです。アメリカのジャーナリストに「これは公平公正を阻害することになるのではないか?」と聞くと、「その通りだ。そう思う」とみんな口を揃えて言います。

USスチール買収が政治的思惑でひっくり返されるのもアメリカ

須田)アメリカ人記者も言うのですが、それが政治的思惑でひっくり返されるというのも、またアメリカなのです。

飯田)そこも考えて企業は動かなければならないし、いろいろなロビイングも行わなければいけない。

須田)あるいは、それまでの根回しも必要です。経済の原理原則だけでは物事が決着しない側面も持つ国だと思わなければなりません。

飯田)しかも、タイミングが大統領選挙の年に被ってしまった。

須田)かつて、ニューヨーク・マンハッタンの象徴と言われていたロックフェラーセンターを、三菱地所が買収しました。買収したのは土地ではなく、持株会社だったのですが、あれが反日の大きなきっかけになってしまった。今回も、USスチールはアメリカの繁栄の象徴だと言われています。

飯田)やはり、やり方があまり上手くなかったですか?

須田)タイミングも悪かったですね。

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