年下男性が42歳の私の体に夢中になる「喜び」そして恐怖…異常な関係がたどり着いた末路は(後編)
OTONA SALONE / 2024年3月30日 18時1分
ジェクス ジャパン・セックスサーベイ2020によれば、浮気・不倫経験があると答えた男性は67.9%、女性は46.3%。40代女性の32.9%が「特定の人物1人と(現在も)している」と答えています。婚外恋愛は、決して遠い対岸の火事ではありません。
では、過去に不倫を経験した人たちは、その後どんな人生を歩んでいるのでしょうか。
相手との関係や自身の生活の変化について、女性たちのリアルをお伝えします。
【不倫のその後#8】後編
年下男性との不倫に、けじめを付けられなくて…。最後に会うことにした彼女は 次ページ
「けじめ」をつけるためには
「まだ返事はしてないのだけど、これ、どうすればいいと思う?」
佐知子の細い声を聞きながら、スマートフォンを握ってうなだれる姿を想像した。
「ほかの人が見るかもしれない資料にまでそういうことをし始めたのなら、ちょっと本当に危険だね。これで会わなかったら、次は何をしてくるのかわからない」
と返すと、そうよねと頷いてから
「やっぱり、一度は会ったほうがいいのかな」
と佐知子がまたため息をついた。
ここまで来たら、会うしかないだろう、と思った。佐知子が電話で話してくれる時間もしだいに短くなっている今、男性のほうは切られようとしている自分に焦っているのがひしひしと伝わった。
「一度だけ、だね。これが最後って約束をしたうえで、コンビニの駐車場とか人目のあるところがいいかも」
と慎重に言葉を選んで返すと、佐知子は
「え、コンビニって、誰かに見られたらどうするのよ?」
と驚いた声で返した。
「だから、もう不倫は終わっているのだから、後ろめたい関係じゃないのだからって証明よ。
誰かに見られても問題がないでしょうって、こっちから線を引いていかないと」
「……確かに」
けじめをつける機会にするなら、ふたりきりの空間こそ避けるべきだと思った。男性はそれを望むだろうけれど、主導権は渡さない。あくまでも「頼まれて会う」体を守ることが、男性に期待をさせない線引きだった。
男性は、ふたたび不倫関係になることを望んでいて… 次ページ
不倫に「復縁」はない
男性の本当の望みは、佐知子とふたたび不倫関係になることだろう。独身で彼女もおらず諾々と日常を送るだけの30代男性が、降って湧いたような幸運、体の関係を楽しむだけで何の責任も取らずにいいと了解された関係を諦めるのは、難しいだろうことは想像がついた。
男性が「不倫をばらされたくなければ黙って元の関係に戻れ」のような強硬な姿勢を取らないのは、佐知子の係長という肩書きが無関係ではなく、脅したことが原因で自分の会社が不利になるような流れを避けたいからかもしれなかった。ばれてしまえば困るのは自分だって同じはずで、重要なポストにいるわけでもない自分がどんな処分を会社から受けるか、わかるだろう。
だから本当は男性側にとっても、佐知子の言動ひとつで自分の身が危うくなる状態なのだ。それを薄っすらでも理解できるから下手に出ながら何とか相手をしてくれる佐知子に甘んじていたが、まったく近づこうとせず距離を取る一方の佐知子に業を煮やした結果の現状かもしれなかった。
「こっちから、線を引いていかないとね」
佐知子は繰り返す。「うん」とうなずいて
「不倫に復縁はないんだって、わかってもらわないと」
と今度は力強い声で言った。
人には言えない関係 次ページ
尾を引く「リスク」をどう処理するか
佐知子とは、「平日の夕方、仕事が終わってからどこかのコンビニの駐車場で待ち合わせをする」と決めた。これがギリギリの譲歩であって、男性のほうからふたりきりで会うことを持ちかけられたらきっぱりと断ることも、佐知子は「絶対にそれはしない」と言い切った。
会えばどうなるのか、佐知子は「よりを戻すつもりはない」ことを改めて話すと言った。別れたときに「これからは元の関係で、業務に過去を持ち込まないこと」を男性には伝えていたが、自分のその言葉を今まできちんと守っていることが佐知子の強みだった。
つまり、別れたのに駄々をこねて復縁を求めているのは男性の側だけで、佐知子にはその気はまったくないこと、「でも仕事についてはこれまで通り私情を排して臨む」こと、矛盾を抱えない状態で佐知子は男性と対峙できるのだ。
会えば求められる「次の接触」を、きっぱりと断ち切るのが目的の逢瀬だった。「不倫をしていたことを、今は本当に後悔している」と繰り返す佐知子の言葉に嘘はなく、お互いに社会人なら自分の安全や安心を守ることも、考えないといけない。男性の甘さはどこかで切らない限り、次はもっと極端な方法に出る危険性があった。
「あなたにも前に言われたけど、不倫ってリスクね。本当にわかるわ」
ふう、と息をつく佐知子の声は、かけてきたときより上向きの響きがあった。リスクをわかっていて選んだのは自分であり、責任を取るのも自分しかいない。「尾を引く危険は不倫にはつきものなのだ」と、始めるときに考える人はおらず、こうやって終わりを迎えてから改めて自分が身を置く現実について知ることになる。
人に言えない関係をどう扱うか…。終わってからその人の本心が出るのかもしれない、とふと思った。
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