文化、食、自然の魅力あふれる飛越エリアに行こう 【3】アクティビティ編
OVO [オーヴォ] / 2024年3月18日 10時0分
岐阜県飛騨地域と富山県南部地域は、古くから経済的、文化的にさまざまな結びつきがあり、飛越と呼ばれている。庄川峡や西穂高岳などの豊かな自然に恵まれ、多くの体験ができる上、山の幸と海の幸、両方を堪能できる。馬場家や森家、飛騨の古い町並みなどの伝統的な家屋や、井波彫刻といった歴史的な遺産も数多く存在する、自然・食・文化の宝庫だ。 今回は飛越エリアのアクティビティを紹介する。
▽渓谷を優雅に進む「庄川峡遊覧船」
富山県砺波市にある庄川温泉郷の「庄川峡遊覧船」では、四季折々の絶景を堪能できる。コースは、船でしか行けない秘境の一軒宿として有名な大牧温泉観光旅館へ向かう「大牧温泉コース」と、途中の長崎橋で折り返す「長崎橋周遊コース」の二つ。庄川峡の景色を楽しもうと、年間6万人から7万人の観光客が利用している。
甲板にのぼると心地よい風が吹いており、真夏でもひんやりと涼しい。ゆったりと落ちついて過ごせる船内には地元の民謡が流れていた。春の新緑、夏の納涼、秋の紅葉、冬の雪景色、どの時期に行っても四季の風情を満喫できそうだ。
▽まさに秘境! 神秘の白水湖で「SUP」体験
世界文化遺産の「白川郷」で有名な岐阜県白川村に、エメラルドグリーンに輝く神秘的な湖があるのをご存じだろうか。ここで、5月から9月までの期間だけチェレンジできるアクティビティが、ボードの上に立って、パドルを使って進んでいくハワイ発祥のSUP(サップ)だ。きらめく白水湖に立てれば、SNS映えする写真が撮れること、間違いない。
白水湖でインストラクターをしている蟻原陽一さんは「SUPは基本的に初めての人でも楽しめる遊び。時間内に立って、自分でクルージングできるようになってもらおうと思っているので、誰でも立てるような流れで組み立てています」。最初はバランスをとるのが難しいかもしれないが、子どもから大人まで、初めての人でも立ってこげるようになるという。慣れてくれば安定して自由に水面を動き回ることができる。湖自体はそこまで広くはないので、うまくいけば湖の一番端まで行って帰ってくることも可能だ。
海や川でのSUPは風や波、川の流れの影響が大きく初心者には難しいので、初めての人は湖でのチャレンジをおすすめする。豊かな緑に囲まれたロケーションで雄大な景色を堪能しながらSUPができるのも、ここの大きな魅力の一つだ。白水湖までは険しい山道を車で30分かけて行くルートしかないが、秘境での体験にはそれだけの価値がある。
▽廃線を走るレールマウンテンバイク「ガッタンゴー」
ニュートリノの研究でノーベル賞受賞者を2人も輩出した「スーパーカミオカンデ」の町、飛騨市神岡町には、鉄路の上を専用の自転車で走ることができる「ガッタンゴー」がある。通勤通学や貨物輸送に活躍してきた神岡鉄道が、2006年に廃線となり、鉄道資産と町並みを残したいという地元の有志の思いをもとに、現在は線路をコースとして活用しているアクティビティである。
まちなかコースは、市内を走る往復6㎞。初心者向けということもあり、平日も満車状態だという。2人乗りのハイブリッド車から6人乗りの木製トロッコまで、さまざまな車両があるので、家族連れやペットと一緒に乗りたい人にはこちらのコースがおすすめ。
一方、スリル満点の渓谷コースは経験者向けで、橋の上や川沿いを往復6.6㎞走る。晴れた日の清流と森林のコントラストは鮮やかで、時を忘れるほど。真っ暗なトンネルがあり少し恐怖を感じるかもしれないが、ひんやりとした涼しさが心地よい。絶景と絶叫、両方を味わいたい人にはイチオシだ。
どちらのコースもアシスト付きなので、体力に自信のない人でも安心。レールのつなぎ目の上を「ガタン・ゴトン」と走る音や川の流れを感じながら、ここでしか出会えない瞬間を楽しもう。
▽高低差日本一のロープウェイで北アルプスを一望
北アルプスの新穂高ロープウェイに乗れば、気軽に雄大な自然を感じることができる。標高1117mの新穂高温泉駅から、しらかば平駅を経由して西穂高口駅までの全長3171mを二つのロープウェイで結んでおり、合わせて1036mの高低差は日本一。
西穂高口駅には、「頂の森」として2022年にリニューアルした森のテラスや槍の回廊がある。原生林に囲まれたテラスでは、ピクニック気分で地元食材を使った飛騨牛コロッケや「頂」の文字をかたどったチュロスなど、オリジナルの山頂グルメを楽しむこともできる。また、扇形に張り出した回廊からのぞき込めば、北アルプスを独り占めしている気分になれる。
豊かな大自然に恵まれた飛越エリア。ほかでは体験できないアクティビティがあふれており、いつ訪れても四季折々の体験が待っている。
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