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定年後の「ビンボー家計簿」分析&改善法

プレジデントオンライン / 2013年11月18日 11時45分

65歳で最低2000万円なければ夫婦でピンチ! 定年後の収入は大幅ダウン間違いなし。手遅れにならない対策を準備しておこう。

60歳で定年退職した後は年金でのんびり暮らしたい――そんな夢が叶わないことは、もう誰もが気づいているだろう。

年金の支給開始はすでに65歳に引き上げられている。今、60歳を迎えた人なら厚生年金から年金の一部(報酬比例部分)を受け取れるが、その支給開始年齢も段階的に引き上げられている最中だ。男性は1961年4月2日以降生まれ、女性は66年4月2日以降生まれだと、65歳になるまで年金はゼロになる。

その報酬比例部分は、多い人でも月に十数万円程度。これだけで暮らすのはまず無理で、定年退職後も働いて収入を得るのはすでに当たり前になっている。最近、定年退職を迎えた世代の生活は、現役世代にとってモデルケースといえるかもしれない。

定年退職後も年金をもらえるまで働くのは大前提。その覚悟さえ決めておけば、たとえ年金の支給開始年齢がさらに引き上げられたとしても対応できる。逆に、ここで再就職に失敗すると、老後の暮らしは非常に厳しいものになってしまう。

こうした状況のもとでは、退職後の家計は「定年退職から年金満額受給まで」と「年金生活に入った後」の2段階に分けてプランするのがよさそうだ。

定年退職から年金の満額受給が始まるまでの生活は、働いて収入を得る点で現役時代の延長に近い。ただ最大の問題は、再就職後の収入が現役時代より大幅にダウンすることだ。50代の家計は収入も支出も人生で最も膨らんでいる場合が多い。ここで収入ダウンに対応できずに退職金を取り崩し始めると、年金生活に入ってからの老後資金が足りなくなる。

定年後の収入ダウンを念頭に置き、50代のうちから生活を引き締めておくことが大切だ。50代で教育費が一段落すると、安心してムダ遣いに走る人も多い。だが、実はこのタイミングが肝心。ここで気を緩めず、それまで使っていた教育費の分をそのまま老後資金の積み立てに回す。こうすれば老後資金が増やせるうえに、家計も引き締まった状態を保てるから一石二鳥。これで60歳からの生活へソフトランディングを目指そう。

必要な老後資金の額は家庭によって違うが、「65歳時点で2000万円」が1つの目安と考える。年金生活に入った後、もし毎月5万円(年間60万円)を取り崩したとすると、20年では1200万円。2000万円の老後資金があれば、まだ800万円の余裕がある。

65歳時点で必要な老後資金が不足しそうなら、60歳以降に貯金を続けることも必要になる。本当の老後は年金生活に入ってから。それまでは、まだ準備段階が続いていると考えたほうがよさそうだ。

■収入が減ってもちゃんと暮らせる

収入も支出も縮小する定年後の生活で足かせとなるのが住宅ローン。70歳以降も続くような長期ローンを抱えている人は少なくない。年金生活でローンを返済するのは厳しいので、遅くても65歳までに完済できるよう、期間短縮型の繰り上げ返済を行ったほうがいい。

もう1つの大きな問題は「子ども」。親が40歳近くになってから生まれた子がいると、定年退職後も教育費が続くことになる。それは最初からわかっているはずなので、なるべく早い段階から教育資金と老後資金の計画を進めよう。

さらに、最近は大学院に進学したり、卒業後に専門学校に通うケースも増えている。いつまで経っても教育費が終わらないようでは、老後資金の準備ができない。「親が教育費を払うのは大学卒業まで」と決めて、それ以上は本人が奨学金を借りるように言い渡したほうが親のためにも本人のためにもいい。

年金制度問題や財政問題などが報道され、老後への不安を感じる人はますます増えているようだ。だが、まだ起きてもいないことを心配しすぎてもしかたがない。また、収入が減り、貯蓄残高が減っていけば、それに応じて生活を工夫する力をたいていの人は持っている。

老後の準備は今できるところから、少しずつでも確実に進めていくことが大切だ。

■現役時代にやっておくこと5カ条

1.老後の収入と支出の見通しを立てる
2.教育費の少ない時期に集中的に資金を貯める
3.65歳までに完済するよう住宅ローンを繰り上げ返済
4.無事に再就職するための準備と根回し
5.子どもの独立を促す

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ファイナンシャル・プランナー、生活設計塾クルー取締役 
浅田里花

独立系FPとして資産設計、リタイア後の生活設計などのアドバイスを行うほか、マスコミへの寄稿、セミナー講師などの活動も行っている。

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(ファイナンシャル・プランナー、生活設計塾クルー取締役 浅田 里花 構成=有山典子)

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