お金が貯まらない家の冷蔵庫から頻繁に発見される…貯まる人は決して手を出さない「道の駅」に並んでいるもの
プレジデントオンライン / 2024年4月27日 10時15分
■冷蔵庫やパントリーの奥から出てくる、出てくる
いよいよゴールデンウィークが始まりました。これから旅行に出かけるという人も多いでしょう。お片づけ習慣化コンサルタントとしては、こういう気分が高まっているときほど、気を付けてほしいことがあります。
私の片づけセミナーで、受講生さんたちにキッチンを片づけてもらうと、道の駅で買ったらしき調味料や乾物などがたくさん出てきます。特に冷蔵庫に入れておけば、いつまでも持つんじゃないかという幻想から、冷蔵庫の奥からは、忘れ去られたドレッシングやスパイスオイル、ドリンク液などが出てくる、出てくる。たいていは口が開いていて、1回か2回ぐらいは使っている。賞味期限を見てみると、半年前どころか1年前というものも、けっこうあるのです。
冷蔵庫以外に、パントリーや引き出しにも、野菜や海藻、魚介類の乾物など地方の名産らしきものが、たくさん詰まっています。これらも、たいてい賞味期限切れ。本当にもったいないですよね。
私自身、過去に失敗したのが、ジンジャーエール系の手作りドリンク液。炭酸で割ったらおいしそう、というものを地方の道の駅で買ったけれど、つくって飲んだのは2回ぐらいかな。大量に残ったまま、気がついたら賞味期限が迫っている。成分を見たら、しょうがや砂糖だったので、肉を煮る調味料として使ってギリギリセーフ。どうにか捨てずにすみました。
そして次にまた別のところに行ったときに、同じようなジンジャーエール系の液を見つけて「うわ~、おいしそう!」と手が伸びそうになりました。が、その瞬間、待て待て、私はそういうのをしない人じゃんと我に返って、買わずにすみました。
■旅に出るまえに必ずしてほしいこと
旅先に行くと、つい気分が高揚し、そこにしかない珍しいものを見かけると飛びついて、財布のひもはゆるみがちです。でも、そういうときに「待て待て」と冷静に自分を客観視して、自分にストップをかけるには、とにかく旅に出る前にキッチンを片づけること。特に冷蔵庫とパントリーを整理してから、旅に出てほしいです。
その際のヒントは2つ。一つは「これはまだ食べられる」という、生きているものを確認すること。それは買わずにすみます。もう一つは、賞味期限の切れている「もう食べられない」ものを確認、処分し、そこから自分のパターンを知ることです。
私の場合、手作りジンジャーエール系の液を見ると、「うわ~買いたい」となる。でも、その自分のパターンをあらかじめわかっていれば、いざ同じものに出合ったときも「待て待て」と自制がきいて財布のひもはゆるまないわけです。
■「道の駅で買ってもいいもの」3つの条件
では道の駅で買っていいものとは何か。大きくは次の3つです。
(2)家族が好きな味
(3)以前、食べたことがあるもの
初めて出合うものは、いきなり買わず、まず試食をしてみましょう。道の駅には、試食できるものはたくさんあります。そして自分だけでなく、子どもや夫にも食べてもらって、おいしく食べるようなら買ってOK。あまり好きではなさそうなら、自分が好きでもやめておいたほういい。家族が食べないと、自分一人で担うことになりますから。そして一人では食べきれず、でももったいないから捨てられず、やがて冷蔵庫やパントリーの奥へ奥へ……。
■「調味料失敗あるある」2つのパターン
1.いつもと違ったものにチャレンジしたい!
「調味料の失敗」でよくあるのが、辛いものやくせのあるものです。ふだん使わない、変わった調味料を使って料理をしたけれど、家族に大不評だったというのはよく聞く話です。そもそも彼らは、いつもの味が好き。特に子どもは、ある程度、決まった味のパターンの中で食べて育ちますから、変わったものを食べ慣れていません。ですから、変わったものを食べたいなら、外食をしたほうが手っ取り早いだろうと私は常々思っています。
2.つぶしが効かない!
「○○醤(ジャン)」と呼ばれる中華系の調味料も失敗しがち。「この料理をつくりたい!」と思って手に入れたけれど、そのレシピでしか使えず、応用が一切きかない。でもじつは「○○醤(ジャン)」は簡単に手作りできるんです。うちのスタッフで、子どもが小さくて「豆板醤」が食べられないという人がいます。でも自分は食べたいから、ネットで調べたら、味噌、ゴマ油、しょうゆ、一味で代用できることがわかった。これらの調味料なら家庭にありますよね。こんなふうに代用が効く調味料であれば冷蔵庫で死蔵させることはありません。
そもそも食事の目的は、楽しく食べること。食べたくないのに、もったいないから食べなきゃいけないものだらけのキッチンって、つらいですよね。捨てる罪悪感も大きい。だからこそ、自分の食べたいものと家族の食べたいものは、それぞれ別々に把握しておくことが大事です。
■まずはミニサイズでお試し
道の駅に話を戻しましょう。店頭で試食できず、でも新しいものにチャレンジしたいときには、小さい瓶や小分けになっているものを買いましょう。それで食べてみて、もっとほしいと思ったら、たいていオンラインやアンテナショップで手に入りますから、そこで改めて買えばいいと思います。
また調味料以外の乾物も試食が大前提。さらに買うなら「いつ食べるだろう」「どんなときに食べるだろう」「どうやって食べるだろう」と、頭の中でシミュレーションしてほしいですね。日持ちがするものは、とりあえず買って放置しがち。魚介類なら、それをいつおかずとして出すのか、野菜や海藻なら、あえ物にするのか、汁物に入れるのか、「こうやって食べる」というのが明確になっていれば、「とりあえず買い」を防ぐことができるでしょう。
要冷蔵の魚の干物は、すぐに食べないなら、小分けにして冷凍しておくのがおすすめ。解凍してグリルで焼くときに、日本酒を振るとふっくらしておいしく焼けますよ。
でも、そんなことをしなくても、旅から帰ってきたら、積極的に食べるといいですね。「楽しかった」というテンションのまま、買ってきたものを食べると、思い出話にも花が咲きますし、ずっと楽しい思い出として記憶に残ります。また、みんなで行きたいねってなりますよね。
■道の駅のマーケティングにハマっていないか!
道の駅で、使い切れないものをつい買ってしまうのは「気が大きくなっている」「二度と買えないかもしれないという焦燥感」「目新しく感じる」……といったことが原因。つまりマーケティングの渦に巻き込まれているのです。
でもそんな商品を家に持って帰っても、自分の生活にフィットしない。おしゃれなドレッシングを買っても、おしゃれな料理をつくる習慣がなければ、使うことはありません。帰宅して仕事が始まれば、一層そんな料理をしている場合ではなくなるはずです。今はGWを前に気分があがっているでしょうが、「今年のGWの私は違う!」などと、やりもしない自分に期待するのは、もうやめましょう。
だからこそ、旅に出る前のキッチンの片づけはマスト。「こういう食品を無駄にしてきたな」と自分を振り返る機会になるからです。
これは旅行前だけでなく、ふだんの買い物に行くときも同じです。事前に生きているものと死んでいるものを確認し、自分の失敗パターンに気づく。ダメな自分と向き合い、受け入れて、同じ失敗を二度としたくないと肝に銘じる。そうすれば、お金の回り方も変わってきます。お金が貯まる人は、これが自然とできている人、己をよく知っている人です。
ただ闇雲に節約するだけではなく、たとえば「うちの調味料は、これだけあれば十分」ということがわかったら、同じしょうゆでも、近所のスーパーの安売りのしょうゆではなく、ワンランク上のこだわりのしょうゆを選ぶなど、より有意義にお金を使えるようになります。片づければ、お金の回り方も変わるし、料理もおいしくなるのです。
■それでも浪費してしまう人への最後の手段
それでも、なかなか改善しない人に……最後の手段です。一度、死滅させて捨てたものの金額をすべて計算してみてください。道の駅で買ったあのドリンク液1200円、家族が食べなかったあのドレッシング1000円、買ったまま放置していたあのワカメ1000円……、けっこうな金額になるのではないでしょうか。
思わず気持ちと財布がキュッと締まるはずです。
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お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表
1967年生まれ、岡山県出身。大学卒業後、住宅メーカーのインテリアコーディネータとして従事。結婚し、20年専業主婦を経験したが離婚。その後はヨガスタジオの店長としてスタジオに通う多くの女性のさまざまな相談に応じる。2015年、得意の片付けを生かして起業。お片づけ習慣化講座「家庭力アッププロジェクト」修了生は全国で2000名を上回る。
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(お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表 西崎 彩智 構成=池田純子)
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