アジア太平洋前立腺がん患者合同会議『Not All Prostate Cancer is the Same調査レポート』を発表~前立腺がんの症状と病期に対する理解の向上を呼び掛ける
PR TIMES / 2020年8月4日 15時45分
本プレスリリースは、アジア太平洋地域の前立腺がん領域の患者団体で構成される「アジア太平洋前立腺がん患者会合同会議」から配信されたものです。同会議は、ジョンソン・エンド・ジョンソングループのヤンセン・アジアパシフィック社の後援により組織されています。弊社では後援者として同会議に関与しているため、本プレスリリースを配信しています。
米・ジョンソン・エンド・ジョンソングループのヤンセン アジアパシフィック社の後援により、日本、中国、韓国、台湾、オーストラリアの前立腺癌領域の患者団体で構成するアジア太平洋前立腺がん患者会合同会議はこのほど、『アジア太平洋前立腺がん患者合同会議 調査レポート~Not All Prostate Cancer is the Same』を発表しました。ひとくちに前立腺がんと言っても、患者さんのニーズや疾患の受け止め方は、病期により様々であり、必ずしも同じではありません。アジア太平洋地域における前立腺がん患者さんのニーズや希望、病期の違いによってそれらがどのように変化するかを掘り下げた内容です。レポートを公表し、より多くの方に疾患についての理解、すなわち、病期の違いに応じてどのような前立腺がんの症状が発現するか、さらにそうした症状が見られない場合も含めて理解を深めていただき、早期発見と治療効果の向上につがなる一助となることを目的としています。なお、本調査結果はこのほど、British Journal of Urology International(オーストラリア・ニュージーランド増補版)で発表されました。
調査により判明した極めて重大な点は、アジア太平洋地域の前立腺がん患者の大多数が前立腺がんについての知識がないか、限られた知識しかもっていないかのいずれかであったという点でした。さらに、前立腺がん患者さんの大多数が診断されるまでに主に排尿障害などの症状を経験しますが、これらの症状があっても、医療従事者に診てもらうことがほとんどありません。多くの方が排尿の問題が前立腺がんに関連している可能性を認識しておらず、加齢による影響の一部に過ぎない、あるいは深刻な問題ではないとの認識を持っていたことが伺えます。
アジア太平洋地域全体を見ると、症状の発現から前立腺がんと診断されるまでの時間は様々です。
・韓国と台湾では、症状を経験してから医療従事者を訪れるまでの期間は6か月でした。
・日本では、その期間は最大2年でした。
アジアの発展途上国・地域の男性は病期が遅くなってから診断される傾向があり、それだけ予後が悪化する可能性があります。
また、患者さんにおいても、前立腺がんの様々な病期と進行についての理解が限られているため、患者さん自身が情報に基づいた適切な意思決定を行うことが難しい状況です。ほとんどの人は前立腺がんがいくつかの病期に分かれていることを知っていますが、大多数の人は具体的な病期の違いまでは理解していません。
・前立腺がんの病期ごとの違いをどう区別するのか知っていると回答した割合は、台湾では50%と理解度が高いものの、韓国17%、オーストラリア13%、中国10%、日本7%と全般的に病期ごとの理解が高いとは言えません。
病期ごとの前立腺がんの理解のレベルには顕著な差があり、例えば、限局の段階(病期1~3)にある患者さんは、地域全体で見ても多くが病期の違いや将来の治療選択肢についてはっきり理解していませんでした。一方、病期の違いに関係なく、もっと多くの知識と情報を得たいという希望が一貫して表明されていました。
また、病期の違いによって自身の状態についての捉え方に顕著な違いがあります。前立腺がんの患者さんの懸念は病状によって変化します。初期段階の患者さんにとって最大の関心事は、病気の進行と治療選択肢についてです。一方、進行した前立腺がん患者さんになると、最大の関心事は疼痛と身体的な変化に移ります。また、こころの状態にも違いがあります。
・ 地域全体では、進行が進んだ患者さんはネガティブな感情の程度が高まりますが、限局がんの患者さんは希望を抱いている傾向が見られます。
・ 一方、日本人患者さんにおいては、病期に関係なくネガティブな感情が大勢を占め、自分の病気に関連するポジティブな感情は抱く回答はほとんどありませんでした。
これらの懸念は、がんの病期から考えられる予後に照らせば、ある程度当然のことと映るかもしれませんが、それでもなお、前立腺がん患者一人ひとりの病期の違いに基づいて一人ひとりにあった支援と情報を提供することの重要性を改めて浮き彫りにしています。
『アジア太平洋前立腺がん患者会合同会議 調査レポート~Not All Prostate Cancer is the Same』は、以下から入手できます。
https://www.janssen.com/japan/sites/www_janssen_com_japan/files/not_all_prostate_cancer_is_the_same_fin.pdf
■本レポートについて
このレポートは、日本、中国、韓国、台湾、オーストラリアの前立腺がん患者さんを対象とした意識調査の結果であり、いずれも米・ジョンソン・エンド・ジョンソングループのヤンセン アジアパシフィック社が委託し、SenateSHJ社が2019年3月に実施したものです。この調査結果をもとにアジア太平洋前立腺がん患者会合同会議にて議論した結果をレポートにまとめています。対象となる患者さんには、様々な病期の前立腺がんと診断された150名の患者さんが含まれています。
■アジア太平洋前立腺がん患者会合同会議について
アジア太平洋前立腺がん患者会合同会議は、アジア太平洋地域の前立腺がん患者さんが直面する課題に対処し、患者さんの声をひとつにまとめ、次のことによって、地域の前立腺がん患者さんの生活の質と患者さんの転帰を向上させるために変化を促すことです。
・ 前立腺がんについての認識と理解を高める
・ 前立腺がん患者のニーズを理解する教育をコミュニティ、医療従事者、政府に対して実施する
・ 前立腺がんを保健政策の優先課題に位置付けるよう提言する
・ 患者と家族が病気と闘う力を高める。
アジア太平洋前立腺がん患者会合同会議のメンバーは以下の通りです。
・ 日本・腺友倶楽部
・ 中国プライマリーヘルスケア財団
・ 韓国前立腺がん患者協会
・ 台湾前立腺がん予防協会
・ オーストラリア前立腺がん財団
アジア太平洋前立腺がん患者会合同会議では、同地域における前立腺がん患者さんに対するサポートとケアを向上させるための変化をもたらす行動をあらためて呼びかけるとともに、以下の目標達成を掲げています。
1.症状と疾患の進行に焦点を当て、前立腺がんに対する一般市民の認識と理解を向上させる
2.医療の提供、前立腺がん管理の一貫性、患者さんと医療従事者の間での共同意思決定体制を改善する
3.前立腺がんを国の保健政策の優先分野に位置づけるよう政策提言する
4.前立腺がん検査の重要性、特にハイリスクグループ、すなわち前立腺がんの家族歴を有する男性における検査の重要性について一般市民の意識を向上させる。
ヤンセン アジアパシフィックは、2017年の合同会議の第一回会合以来、前立腺がん患者さんの生活を向上させる取り組みにおいて、アジア太平洋前立腺がん患者会合同会議を支援してきました。
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