全身型重症筋無力症に対する治療薬として「ヒフデュラ配合皮下注」承認、自己投与も可
QLife / 2024年1月25日 17時50分
自己抗体を減少させる薬と浸透促進剤配合の皮下投与製剤
アルジェニクスジャパン株式会社は2024年1月18日、全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)に対する治療薬として抗胎児性Fc受容体(FcRn)抗体フラグメント・ヒアルロン酸分解酵素配合製剤「ヒフデュラ(R)配合皮下注」が承認されたことを発表しました。
重症筋無力症(MG)は、IgG自己抗体が神経と筋肉の間の伝達を妨害し生命を脅かす可能性のある筋力低下を引き起こすまれな慢性自己免疫疾患です。2018年の全国疫学調査によると、日本国内のMG患者数は約2万9,000人と推定されています。また、日本では眼の症状のみの「眼筋型MG」が全体の約20%、全身症状がある「全身型MG(gMG)」が全体の80%と推定されています。
主な症状は、全身の筋力低下や易疲労などで、話したり、飲み込んだり、動いたりすることが困難になる場合もあります。重症化すると呼吸筋の麻痺を起こして呼吸困難になることもあります。目の症状は主に、眼瞼下垂、複視などが挙げられます。
ヒフデュラは、IgG分解を促進し、IgG自己抗体を含む血中 IgG濃度を減少させるエフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)に、浸透促進剤ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)を配合した固定用量の皮下投与製剤です。
既存薬のウィフガートに比べ投与時間短縮、自己投与も可能で患者の負担減今回の承認は、ヒフデュラのgMG患者さんに対する薬力学的効果、有効性および安全性を評価した第3相国際共同ADAPT‐SC試験と、その継続投与試験から得られた結果に基づいています。
同社が2022年5月に発売した「ウィフガート(R)点滴静注 400mg」(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)点滴静注製剤)に比べ、薬剤調製手順が簡略化され、投与時間が短縮できることから、医療従事者およびgMGの患者さんの負担軽減が期待されます。また、在宅などでの自己投与も可能です。
同社の代表取締役社長であるヘルマン・ストレンガー氏は、ヒフデュラの自己投与により、患者さんの通院負担を軽減することが期待できる、と述べています。(QLife編集部)
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