「中国国際消費品博覧会」が開幕=4千超のブランドが出展―最大消費市場・中国、海外企業を吸引
Record China / 2024年4月16日 10時40分
中国南部の海南島で13日、「中国国際消費品博覧会」が開幕した。
中国南部の海南島で13日、「中国国際消費品博覧会」が開幕した。59の国や地域から化粧品や服飾品など4000以上のブランドが出展。中国の消費市場の回復を受けて、海外ブランド各社が事業の拡大を目指す。
同博覧会は今年で4回目。会期は18日までの6日間。仕入れ業者5万5000人が訪れ、これまでで最大規模。連日活況を呈している。
今回は英国やマレーシアが初めて自国企業のパビリオンを設ける方式で参加。英政府は会期中に食品や酒を紹介する「英国ブランド・デー」を開催する。
世界最大の消費市場・中国は多くの企業を吸引し、特に高級品分野で世界を大きくリードしている。ブランド各社は環境に配慮した商品など新たな価値観を提案し、さらに販売拡大を目指す。
海外ブランド・トップが相次ぎ訪中
「ゼロコロナ」政策が終了し海外との往来が復活し始めて以降、海外ブランドのトップが相次ぎ中国を訪れている。仏ロレアルのニコラ・イエロニムス最高経営責任者(CEO)は3月下旬、上海市トップの陳吉寧・市党委書記と面会した。「グッチ」を傘下に持つ高級ブランド大手、仏ケリングの経営者も中国政府のイベントに出席するために北京を訪れ、王文濤商務相と会談した。
世界の高級品市場の規模は25年に22年比37%増の4447億ドル(約68兆6000億円)に達する。国・地域別でみると中国は3ポイント上昇して25%を占めてトップ。成熟した欧米市場の割合が低下する一方で、中国の存在感が拡大すると予想されている。
米国からも化粧品大手エスティ・ローダー、バッグブランド「COACH(コーチ)」のタペストリーなど多数出展した。
日本企業はキリンホールディングスなどのほか、ジェトロの日本パビリオンに20社が参加。釣り具やペット用品などを展示している。
環境配慮型の商品をアピール
今回特に目立つのが環境に配慮したアパレル商品だ。木材パルプ由来の環境負荷が低い繊維素材でつくった衣類で、石油由来素材の使用量を減らしている。また海南島の生態系修復プロジェクトを支援するなど環境保護に対する企業姿勢をアピール。中国の消費市場で存在感を高めている。
中国ビジネスを展開する日本企業も同様で、資生堂は中国で23年に中身を詰め替えられるタイプの化粧品を150種類以上、市場に投入した。
中国国家統計局によると、24年1~2月の百貨店やスーパーの売上高などを合計した小売売上高は前年同期比5.5%増加。外食や通信機器などが2桁増と好調だった。
中国では習近平国家主席が20年9月に国連総会で60年までに二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする目標を表明して以降、環境配慮型のビジネスや生活様式への関心が高まった。環境保護重視の傾向は今後一段と顕著になりそうだ。特にブランドイメージが決め手となる高級品分野で活発化するとの見方が強い。
中国と世界が市場チャンスを共有
何立峰副首相は関連の式典で映像を通じ「国際消費品博覧会は中国と世界が市場チャンスを共有するための重要なプラットフォーム」と強調した。
中国政府は海南省における貿易・投資の自由化を進め、高水準の自由貿易港の実現を目指しており、今回の中国国際消費品博覧会はその一環だ。
海南省では2025年に全島を免税対応とする計画が推進され、「離島免税」の各施設や大型免税店の建設、積極的な企業誘致が進められている。また国内移動が簡便となったため、海南省への免税品ショッピングを目的とした国内旅行の人気も高い。高級品、輸入品を求める中国バイヤーと効率的に出会えるチャンスとなるという。日本パビリオンを設置したジェトロは「日本の安心、安全といった商品を紹介する場として活用してほしい」と呼びかけた。
タイやマレーシアなど東南アジア諸国連合(ASEAN)の関係者は、「国際消費品博覧会という窓を通して、中国市場の巨大な潜在力を見ることができる。今回の展示会を通じて中国とのつながりを深めることを大いに期待している」と語った。
今回の国際消費品博覧会は海南省全域にわたる開催が初めて実現し、メイン会場が設けられたほか、海口やボアオなどで「ヨット・クルーズ船」「免税ショッピング」「国際ヘルス」をテーマに三つのサブ会場が新設された。展示総面積は過去最大となる12万8000平方メートル。初めて公開される新製品も多く、特色あるイベントが300回以上展開されている。
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