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2024年の中国自動車市場は値引き、補助金、新車ラッシュで大混戦

Record China / 2024年4月29日 14時0分

SU7はクーペ風のスタイリッシュなセダンで、価格は21万5900元(約453万4000円)から。車載電池トップCATL(寧徳時代新能源科技)の最新型の三元系リチウムイオン電池「麒麟電池」を採用し、炭化ケイ素(シリコンカーバイド)を用いた超級400V高圧プラットフォームにより、一般条件下での航続距離は700キロで、テスラのModel 3より133キロ長い。最上級モデルでは800キロも可能。15分で350キロ分を充電できる。これもModel 3より100キロ長い。最上級モデルでは800Vプラットフォームで同じく15分で510キロ分が充電可能だ。

シャオミ創業者兼最高経営責任者(CEO)の雷軍(レイ・ジュン)氏によると、SU7の開発に100億元(約2100億円)を投資した。SU7は最初の5日間で1073台を納入し、受注残は10万台を抱えている。雷氏はこれを「予想の3~5倍の成功」と称した。雷氏の知名度やマーケティングの巧みさが大きく貢献したようだ。

固体電池搭載車「智己L6」

もう一つの話題の新車は智己汽車(IMモーターズ)の「智己L6」だ。智己汽車は20年に上海汽車(国有最大の自動車企業)、張江高科(上海でハイテクパーク運営)、アリババが共同で立ち上げた。23年に純EVのSUV「LS7」と大型セダン「L7」を発売した。第3弾のクーペ風セダン「L6」は5月中旬に発売予定で、価格は23万元(約483万円)からとシャオミのSU7とほとんど変わらない。

L6の売りは世界初の量産型固体電池を搭載したことだ。これまでに比べ、出力は30%アップし、0→100キロ加速は2.74秒、航続距離は1000キロ。電池重量は25%軽量化され、急速充電も可能といいことずくめだが、コストは高い。

この電池は上海汽車がバックアップする青島清淘というベンチャーが開発し、「光年固体電池」と名付けられた。これまでの半固体電池とは一線を画したとしているが、固体か半固体か、業界では激しい論争が続いている。BYDとメルセデス・ベンツの合弁企業「騰勢(DENZA)」の幹部は、現時点で半固体電池を推進している人たちは言葉遊びをしているだけだと断じた。全固体へ一歩近づいたというのが実態だろうか。とはいえ、インパクトは大きかったようで、予約注文は最初の23時間で1万台を突破した。

消耗戦の先には

新車11車種の中に唯一の日本車、7月中旬発売予定のトヨタ新型プラドがある。生産は一汽トヨタで、2.4Lエンジン+モーターからなる得意のハイブリッドだ。予定価格は47万~57万元(約987万~1197万円)と発表され、予約注文の受付を開始すると、わずか1時間で5000台を突破した。1000万円クラスでこの数量はヒットといえるだろう。

これらインパクトの強い話題の新車は絶好調だが、それ以外の車種は値引きや補助金頼みの消耗戦となる。ディーラーはそれを覚悟しているがゆえに、慎重姿勢を崩さない。また、政府の企図した産業リニューアルも簡単ではない。EVの値崩れが激しく、これが中古車市場のみならず、市場全体に悪影響を与えているという。激しい消耗戦により、倒れる企業が出るのは確実だ。そして、その先は見えてこない。

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