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逮捕の可能性さえあった福原愛。バトルと和解に見る、共同親権への誤ったイメージ

日刊SPA! / 2024年3月20日 15時52分

◆「共同親権=平等に権利を持つ」は誤ったイメージ

そもそもだ。台湾でしっかりとした取り決めが行われたにもかかわらず、それを破ってまで長男を日本に留め置いたのはなぜか。約束通りそのまま返していれば、長女と会えなくなることも避けられたのではないか。

「なぜ福原さんがそのような対応をしてしまったかについては、当時福原さんがこの件を相談していた方から、そのようなアドバイスをされていたためであったと聞いております」(酒井弁護士)

そう言って、アドバイザーが「逃げ切れる」と入れ知恵したことを匂わせた。これ以上、引き伸ばすと本当に逮捕されるかもしれない。そうなれば日本でともに暮らしてきた長男を手放さざるを得なくなる。その上、これまで築きあげてきた名声もすべて失ってしまう――そうした追い詰められた状況下での説得だったのではないか。

また、日本人が共同親権を誤解している可能性も、大渕弁護士は指摘した。

「両方に親権があるのだから、(福原さんが)子どもを連れていっても問題ないという声も聞かれましたが、それは違います。『平等に権利を持つ』という日本人のイメージとは違って、共同親権でも主要扶養者(監護権)はどちらなのか、両親それぞれにいかなる権利があるのかを、非常に明確に決めるのです」(大渕弁護士)

◆共同親権では、それぞれの権限をきっちり決めるべき

福原さんのケースは、今後どうなるのか。

「和解の具体的な内容については、ここでは控えさせていただきますが、決して江さんが息子さんを福原さんに会わせないといった内容ではなく、今後双方ともに、息子さんの親として協力して育てていくことになります。日本でも台湾でも過ごす時間は十分あります。共同親権は維持したまま、監護権は江さんに依然として帰属したまま、という内容になっています」(大渕弁護士)

今回の和解は息子さんのことだけで、娘さんは和解の範囲外。とはいえ、福原が台湾に行けば、娘さんとの再会もありうるだろう。

また、日本で共同親権に根強い反対があることについて質問が出て、大渕弁護士はこう述べた。
「共同親権は対等に権利を持つから、何も決められずにトラブルがずっと続くのではないか、という印象をお持ちでしょう。ですが実際には、監護者や決定権限を明確に決めたうえでの共同親権なので、そういうことはないと考えています」
 
江さんの台湾側の代理人である徐〇博弁護士(〇は山カンムリに松)によると、DVがあった場合などは台湾でも単独親権を選ぶ人がいるという。いま日本で審議中の法案も、共同か単独かを選べる制度設計になっている。

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