イオンモールに「商工会議所」が出店した深い理由 東三河ブランド店「豊穣屋」月間売上500万以上
東洋経済オンライン / 2023年12月9日 10時30分
もうすぐ年末年始の帰省が始まる。地元の名産品をお土産に持っていく人も多いだろう。駅や高速のSA、道の駅などでそれらを購入するのが一般的だが、愛知県豊川市内の大型ショッピングセンター「イオンモール豊川」内にあるセレクトショップが人気を集めている。
【写真】田原牛やあつみ牛、田原ポーク、みかわポークなど、東三河の食材を使った弁当は、イオンモール内で働く人にも人気
東三河の食材を使った食品が人気
今年4月、豊川商工会議所が開店した「豊穣屋 HOUJOU-YA toyokawa no megumi」がそれだ。1階のイーストコート入り口近くにあり、広さは約100平方メートル。店内には豊川市を中心に、近隣の蒲郡市や田原市、豊橋市など東三河にある約40の⼤⼩さまざまな事業者が製造した食品や雑貨、インテリアなど約400アイテムが並ぶ。
さらに、店の入り口近くには週ごとに事業者が入れ替わって新商品や試作品を販売する「チャレンジショップ」も併設している。どの商品もパッケージのデザインが洗練されていて、POP広告からも商品の魅力が伝わってくる。久世福商店やカルディコーヒーファームの並びということもあり、客は自然な流れで店に入ってくる。筆者が訪れた日は平日だったが、老若男女問わず多くの客が商品を吟味していた。
東三河は農業が盛んで、とくにキャベツは日本一の出荷量を誇る。また、田原牛やあつみ牛、田原ポーク、みかわポークなどブランドの牛や豚も飼育されている。三河湾に面した町で水揚げされる魚介もレベルが高いと評判だ。言ってみれば、東三河は食材の宝庫であり、それらを使ったお惣菜やスイーツなどの食品が売れ筋だという。
店内の奥にある冷凍のショーケースに入っているのは、東三河の肉や野菜をふんだんに使った冷凍餃子。コロナ禍の巣ごもり需要ですっかり定着した感があるが、「豊穣屋」で扱う冷凍餃子の1つ「お持ち帰り餃子 社龍(しゃりゅう)」は11年前に中華料理店から持ち帰りの餃子専門店へとリニューアル。地元産の肉と野菜を使っているのはもちろんのこと、ニンニクは店主自らが自社農場で育てたものを使っている。
シンプルな「プレーン餃子」のほか、ショーケースの中で異彩を放っていたのが「きくらげ餃子」だ。この商品は、同じ出店者である「木耳のお店」とのコラボ商品だという。
出店者同士のコラボ商品も誕生
「『豊穣屋』出店の説明会の際に運営を委託された会社の社長から『きくらげ入りの餃子を作ってみては?』と言われたのがきっかけでした。『木耳のお店』の社長の喚田恵子さんもイベントなどで顔を合わせていたのでぜひやってみたいと思いました」と「社龍」の代表、鈴木利弥さん。
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