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イオンモールに「商工会議所」が出店した深い理由 東三河ブランド店「豊穣屋」月間売上500万以上

東洋経済オンライン / 2023年12月9日 10時30分

「木耳のお店」は、豊川市内できくらげを生産、販売。そのPRの手法がとてもユニークで、全身ピンク色の衣装にアフロヘア、丸メガネといういでたちの「きくらげの妖精」が愛知県豊川産のきくらげの魅力を伝えるというもの。地元で開催されるイベントでは、訪れた客からツーショット撮影やサインをリクエストされるほど大人気だという。この日も「木耳のお店」のスタッフ、いや、木耳の妖精のあっぴーさんが来てくれた。

「もともと社長の喚田は就労継続支援B型の施設として親戚が生産したきくらげの選別や加工を請け負っていました。国産のきくらげの美味しさに感動したのと、障害者の工賃を上げるために『木耳のお店』を立ち上げました。きくらげ作りはオリジナル配合の菌床の仕込みから行っています。農薬もいっさい使っていません」と、あっぴーさん。

「豊穣屋」で扱っているのは、乾燥きくらげのほか、佃煮に加工した瓶詰め。とくにラー油で味付けした「きくらげラー油」が人気だ。「木耳のお店」のきくらげは、中華料理店などで食べているものとはまったくの別物だという。

「いちばんの特徴は食感です。コリコリしているイメージがあると思いますが、『木耳のお店』のきくらげはプルンプルンなんです。餃子に入れると、とても心地よいアクセントになるんです。『きくらげ餃子』は本当によく売れていますよ」(鈴木さん)

建設反対から共存共栄へ

イオンモール豊川が建つ場所は、日立製作所とスズキの豊川工場の跡地。日立は2016年3月、スズキは2018年7月に閉鎖し、当時の豊川市長が市議会で跡地に商業施設を誘致する方向でイオンモールと協議中である旨を発表した。

「6、7年前にイオンモールを建設するという話がありました。地元の商工業の振興が商工会議所の役割ですから、大型ショッピングセンターの出店は反対の立場だったんです。また、イオンモールの建設予定地のすぐ隣には市民病院があり、渋滞で病人の到着が遅れたらという懸念もありました」と、話すのは豊川商工会議所の小野喜明会頭だ。

実際、2016年8月には中小小売業者に影響が出るとして豊川市長に対して豊川商工会議所会頭名で懸念を表明した。さらに2018年6月にはイオンモールが公表した売場面積に対して反対する旨を発表するも、計画はどんどん進められていき、2019年8月に開かれた豊川市都市計画審議会において建設予定地の用途変更が承認され、事実上、イオンモールの進出が決定した。

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