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新幹線と在来線特急「自由席・指定席」めぐる歴史 年末年始「のぞみ」全席指定化は必然だった?

東洋経済オンライン / 2023年12月12日 6時30分

年末年始に全席指定となる東海道・山陽新幹線「のぞみ」に使われるN700S(写真:尾形文繁)

2023年の12月28日から2024年1月4日まで、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」が全席指定席で運転される。

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また、2024年春のJRグループのダイヤ改正を機に、JR北海道の特急「北斗」「すずらん」、「おおぞら」、「とかち」、JR東日本の特急「しおさい」、「わかしお」、「さざなみ」が全席指定席となることが発表された。

時刻表で全席指定の歴史をさぐる

SNSの反応を見ると、新幹線が混雑期に全席指定となることに歓迎の声が多い一方、在来線特急の全席指定に関してはネット購入で割引となるものの自由席を利用した場合よりも料金が上がるため、ネガティブな声もあがっている。

最近はJR東日本やJR西日本で新幹線や在来線特急の全席指定化が進んでいる。このような全席指定化はどのように進んでいったのか。時刻表には、新幹線や主な特急列車が何両編成で、何号車が指定席で何号車が自由席で、といったことが図で記されている「編成表」が載っているので、過去の時刻表からその流れを調べてみた。

調査したのは1964~2023年までの1月号の時刻表と、2023年12月号。データは著者が手作業でチェックしたものなので「ここが間違っている!」とめくじらを立てず、軽い気持ちで読んでいただけるとありがたい。

東海道新幹線が開業する前の1964年1月号の特急の編成表には「指定席」、「自由席」の記述がなかった。記されているのは「1」、「2」の数字だけ。「1」は1等車で現在のグリーン車に当たる車両、「2」は2等車で現在の普通車だ。時刻表の表紙をめくると最初のほうに時刻表に使われている記号を説明するページがある。そこには「全席指定」というマークがあり、次のような説明が書かれていた。

特急や週末準急などのように全部の座席が指定制の列車

つまり、すべての特急が全席指定なのだ。

新幹線や特急の指定席のチケットを見ると「特急券」、自由席のチケットを見ると「自由席特急券」と記されている。普通に考えたら指定席の特急券には「指定席特急券」としたほうがわかりやすい。また、自由席よりも指定席のほうが料金は高く、指定にする分だけ料金を高くしたと考えれば自由席は「特急券」、指定席は「特急券・指定席券」としてもいい。「特急券」、「自由席特急券」というルールとなっているのは「特急」イコール「全席指定」という考え方がベースとなっているからだろう。

初めて自由席が設定されたのは新幹線「こだま」

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