問題解決はテクノベート・シンキングで変わる テクノロジーで何ができるようになるのか
東洋経済オンライン / 2024年3月7日 9時0分
生成AI、DX、XTECH、マネジメントへの活かし方……テクノロジーとビジネスはもはや切っても切れない関係にある。日本最大のビジネススクール、グロービスがいま最も力を入れているテクノロジーの「勘どころ」と「使いどころ」を1冊にまとめた『ビジネススクールで教えている武器としてのAI×TECHスキル』を共著として上梓した嶋田毅氏が、テクノロジー、AIなどについて一般のビジネスパーソンは「何をどこまで知っておけばOKか」のラインを明確に解説する。
ビジネスは突き詰めれば問題解決(課題解決)の連続です。トラブルシューティングにとどまらず、困難な課題、知恵や創意工夫が必要な課題を次々と乗り越えて結果を出していくからこそ、ビジネスパーソンは評価されるわけです。特に非定型的業務を行うホワイトカラーにとっては、この力を磨くことこそが成功への必須要件でした。これは今後も同様でしょう。ただ、その方法論は近年激変しつつあります。
【写真】最低限知っておきたい知識が1冊で身につく『ビジネススクールで教えている武器としてのAI×TECHスキル』
今回は、テクノロジーの進化がもたらした問題解決方法の変化について紹介します。
オーソドックスな問題解決の方法
オーソドックスな問題解決では、まず解決すべき問題(課題)を設定します(What)。そのうえで、順次ロジックツリー(MECEを意識して要素を切り分けていく手法)を用いて改善感度の高い問題個所を特定し(Where)、根源的な原因を突き止め(Why)、効果的な解決策を模索します(How)。
たとえばあるホテルで宿泊者数がここ2年間で減ってきたとしましょう。そこで、3年前のレベルにまで数字を引き上げることを目標に定めたとします(What)。
宿泊者の属性うち減っているのはどこかを調べたところ、ビジネスユースの顧客や家族客はほとんど変わっていないのに対し、個人利用で、かつ30代までの若い女性の宿泊客が激減していたとします。ここへのテコ入れが必要ということがわかります(Where)。
その理由をアンケートなどで探ったところ、室内の設備や接客などへの不満は特になかった一方で、アメニティや朝食への満足度が大きく下がっていたことがわかったとします(Why)。
であれば、コストは意識しつつも、若い女性にも訴求するアメニティや朝食のオプションを増やす、といった解決策が考えられます(How)。
人間の脳や経営資源には限界がある
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