運転本数復活や乗継改善「24年春新ダイヤ」の要点 京葉線「改悪」の一方で利便性向上した線も多数
東洋経済オンライン / 2024年3月29日 6時30分
品川駅でも大宮方面の京浜東北線から同じホームで山手線外回りに乗り継げるが、こちらは時刻が揃い乗り換え待ち時間ゼロ! 蒲田・大森から、大崎より先の各駅まで最大4分短縮だ。さらに、土休日は5分間隔で運転する中央・総武線各駅停車とも午前中(10〜12時台)に限って運転間隔が揃い、新宿駅では山手線から中央線各駅停車への乗継時間はどの列車も1分に統一された。五反田・目黒・原宿などから東中野・高円寺・阿佐ケ谷・西荻窪などへ行く場合に最大5分短縮となる。
前述の品川接続も含めれば、京浜東北線から中央線各駅停車に乗り換えて大井町から中野に行く場合などで最大9分の短縮となり、これは大きい。
逆に中央線各駅停車から山手線外回りへの乗継は必ず4分待つことになり、信濃町・千駄ケ谷などから高田馬場・目白などへ行く場合は最大4分の増加だ。同時発着ならこちらも5分短縮だった。田端・浜松町の時刻もそうだが、山手線側の発車時刻があと1分後ろ倒しになることを期待したい。
発車時刻がわかりやすくなったのは南武線だ。乗客から見た変化としては、平日の快速発車時刻が川崎駅発毎時00・30分、立川駅発は毎時15・45分とキリのいい時間に統一されたのが目玉だが、実は利用者だけでなくJRにとってのメリットもありそうだ。
南武線は従来、平均往復時間(川崎駅から往復し、折り返し時間をはさんで再度川崎駅を出るまでの一巡の時間)が128分であったが、今回の改正で駅での折返時間が平均11分/回から平均7分/回へと4分短縮。川崎駅と立川駅の2回で計8分短縮され、平均往復時間は120分ちょうどとなる。快速・各駅停車合わせて毎時8本ある南武線では、従来は往復2.13時間(128分)×毎時8本で17編成の車両と乗務員が必要となる計算だったが、往復2時間×毎時8本なら16編成で済む。
つまり、この改正は車両1編成の運用と乗務員のシフト(鉄道業界では行路という)を減らす狙いもあるのだろう。きれいなパターンダイヤだとこういったことがやりやすい。実際にそうであればJRにもメリットは大きく、日中以外を含む全時間帯、全通勤線区でパターンダイヤを推進してくれるとさらに使いやすくなるだろう。
だが南武線の改正には1つ落とし穴があった。川崎駅の1つ隣、尻手駅で同一ホーム乗換ができる浜川崎方面列車との接続が悪くなった列車があるのだ。浜川崎行き列車の尻手駅発車時刻は40分間隔で、13・33・53分発のいずれかとなっている。これまでは尻手駅で1〜3分の乗継時間があった。
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