運転本数復活や乗継改善「24年春新ダイヤ」の要点 京葉線「改悪」の一方で利便性向上した線も多数
東洋経済オンライン / 2024年3月29日 6時30分
これまでほとんど変化がなかった静岡県内の東海道線にも大きな変化が起こる。従来は主に熱海―島田間、興津―浜松間で運転が分離されていたが、熱海―浜松間の直通列車と、興津―島田間の静岡都市圏区間列車という2系統の体制となった。とくに注目すべきは、熱海13時14分発の列車は豊橋(16時18分着)まで乗り換えなし! これは青春18きっぷ利用者に朗報だ。
JR西日本と、北陸新幹線敦賀延伸でJRから分離された区間も改善がみられる。コロナ減便で減らした車両数をなかなか元に戻せず、インバウンド回復による混雑でブーイングの嵐だった京都の嵯峨野線では、ついに日中の普通列車毎時4本運転が復活。混雑問題を地元やメディアが継続的に粘り強く取り上げた成果といえるだろう。
北陸新幹線延伸で経営分離された福井県内の元北陸本線、「ハピラインふくい」はJR時代よりもダイヤが改善された。まず、福井―武生間は日中毎時1本から2本に増発。地方鉄道ではなかなか見られない思い切った施策で、ダイヤのパターン化も行われている。また、福井―敦賀間には快速が登場。敦賀方面は朝2本と夜2本、福井方面は朝2本と夜3本の運転だ。福井県は新幹線敦賀延伸後も福井と大阪方面を結ぶ特急の存続、新快速の延伸などを要望してきたがいずれも叶わなかった。快速はその代替といえる。
今回のダイヤ改正では減便や快速の削減があっても、その分速度向上や列車接続による速達性の向上など、どこかの湾岸部を走る赤い帯の電車と比べて工夫が見られるケースが目立った。また、自治体の要望や自治体主導の取り組みなどによって本数の復活や利便性向上を勝ち取ったケースもある。これらを参考に、千葉県や房総半島の各市町村には希望を持ってがんばっていただきたいと思う次第である。
北村 幸太郎:鉄道ジャーナリスト
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