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近鉄「ビスタカーの足」継いだ一般車2000系の来歴 一部に特急の台車、観光列車に転身の仲間も

東洋経済オンライン / 2024年4月11日 6時30分

2000系のうち、第7編成は急行の運用を想定して1987年にトイレを設置した。2013年には伊勢神宮の式年遷宮に合わせて観光列車「つどい」に改造、形式も「2013系」と改めた。車内にはイベントスペースやバーカウンター、「こども運転台」が設けられた。

当初は車体に伊勢志摩をイメージしたイラストが描かれていたが、2018年には一転、ブラウンとクリーム色のシックなツートンカラーにイメージチェンジ。湯の山線の「足湯列車」としても話題を呼んだ。が、2024年2月に再度、「メインカラーをポップで明るいイメージの『イエローグリーン』に変更」(同社)された。

近鉄の車両は製造から約20年ごとに1回目、2回目の更新工事を実施することが多い。2000系の第1・第2編成は更新工事が1回のみで、車内の内装などが2回更新した編成とは異なる。第3編成以降は「つどい」になった第7編成を除いてワンマン運転に対応している。

近鉄名古屋線は近鉄名古屋と伊勢中川を結ぶ。近鉄弥富―近鉄長島間で三重県に入ると桑名、四日市、鈴鹿、津と北勢地方の各市域を通り南下。大阪線と伊勢中川で接続する。名阪特急はホームに入線せず短絡線を通過していく。伊勢中川から南は山田線。松阪、伊勢市の各駅を経て宇治山田へ至る。レールはさらに鳥羽線、志摩線へ続き、賢島まで直通する列車もある。

2000系は、名古屋線の準急や普通を中心に運用され、ワンマン対応車は湯の山線、鈴鹿線でも活躍している。湯の山線の起点となる近鉄四日市駅は三重県でいちばん人口が多い四日市市の玄関口らしく、1日乗降人員は3万8628人(2022年11月8日調査)と県内の近鉄線で最多。高架上に3面6線の島式ホームのほか、改札外の高架下に四日市あすなろう鉄道ののりばがある。駅ビルに近鉄百貨店、駅前には都ホテルと近鉄グループの拠点でもある。

湯の山線は15.4kmの単線で、かつては難波や名古屋から直通する特急が定期運行していた。終点の湯の山温泉は温泉ホテルへの送迎車や「御在所ロープウエイ」への三重交通の路線バスが発着する。最近はリゾート施設「アクアイグニス」も人気を集めている。

四日市と三日市で活躍

鈴鹿線は鈴鹿市の伊勢若松と平田町を結ぶ単線の路線。駅数は伊勢若松を含めて5駅。全長8.2kmのうち、ちょうど真ん中の鈴鹿市駅は鈴鹿市役所の最寄り駅。駅ビルに入るファミリーマートの店員が改札業務を一部担当する。伊勢鉄道の鈴鹿駅とは約1km離れている。鈴鹿市―平田町間には三日市駅がある。三日市駅は、三重県を代表するターミナルである四日市駅と異なり、駅舎もない単式ホームの小ぢんまりとした無人駅だ。

2000系の第1・第2編成に関しては4月27日に「お別れツアー」と題した貸し切り団体列車の運行を予定しており、廃車が近いとみられる。往年のフラッグシップ特急を支えた台車は見納めとなるが、ほかの2000系の編成は、沿線の通勤通学の足としてまだまだ活躍が続きそうだ。

橋村 季真:東洋経済 記者

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