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子供の推薦入試を「否定的」に見る親に欠けた視点 推薦入試導入した意図、どのように対策する?

東洋経済オンライン / 2024年4月12日 12時30分

面接で聞かれる質問の例を挙げると、早稲田大学政治経済学部では「シルバー民主主義について、あなたはどう思いますか?」などのように、政治学的な視点からの質問があり、受験生の意見・思考力が問われます。

一方、文化構想学部では「日本文化を世界に広めるためにはどうするか?あなたが興味を抱き、学生時代に追求してきた日本文化は?」といった、文化的な観点から、質問をされることがあります。

つまり、総合型選抜で最も問われるのが「本当にその学部で学びたいのかどうか?」ということです。

一般入試の合格者が大半を占める時代には、大学で学ぶ内容よりも、どの大学に行くのかが受験における最重要事項だった側面もあるでしょう。

そのため「志望する大学に受かること」だけを目的にしていた受験生は、合格後に燃え尽きてしまい、授業への意欲や学びに対する意欲が低下してしまうという問題も指摘され続けてきました。

その対策として、入学前にその学部で学ぶことに対する受験生の意欲を測れる総合型選抜が拡大した、と言えるのではないかと思います。

では、総合型選抜に合格するのはどのような人なのでしょうか。結論から言うと、「偏差値が高い人ではなく」、大学側から「この学生はこの大学の、この学部での研究や学習に向いている」と思われた人だと思います。

私が2000人以上の総合型選抜の合格者たちの志望理由書を分析してわかったのは、彼ら・彼女たちの共通点は、志望学部での学びに対して深く理解しているということです。

「なんとなく英語が話せるようになりたいから、国際教養学部に行きたい」とか、「スポーツが好きだから、スポーツ科学部を選ぶ」といった具体性のない漠然とした理由では、総合型選抜では合格は勝ち取れません。

なぜこの大学なのか。大学4年間で何を学びたいのか。どのような授業を受講したいのか。どの教授のもとで、どのような指導を受けたいのか、などの質問すべてに答えられるような、学部への深い理解が必要です。

総合型選抜で合格した生徒の志望理由書

実際に、総合型選抜で合格した生徒たちの志望理由書を見てみましょう。

1つ目は、上智大学の総合人間科学部教育学科に合格した生徒の志望理由書です。

「将来私は、日本の教育現場や学校が生徒や社会の国際化に対応し、多様な個性や背景が輝くことが可能な学校現場を構築するために、貴学を志望する。
 (中略)

私は貴学入学後、前述した3つのアプローチを達成するために学習をする。具体的には○○教授の下でアジアを中心とした人の国際教育交流や多文化教育を学び、○○教授の下でより深く教育現場におけるAIの導入等を学習した上で、地理歴史の教員免許の取得を目指す。

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