2浪早大「街歩くな」親がひた隠しにした彼の失敗 浪人してよかった一方、唯一後悔したことも
東洋経済オンライン / 2024年4月14日 7時0分
親にも『(日中は)街を出歩かないで』と言われていたくらいです。ただ、『将来必要だし、気分転換にもなるから』とも言われて、2浪目の春には自動車免許の取得には行かせてもらいましたね」
親のためにもこの年こそ決めないといけない。決意を新たに落ちた理由を考え直したところ、「受かる状態がわかっていなかった」という結論に至ります。
「1浪目は勉強もしましたし、成績も伸びました。でも、一向に自信は沸かなかったんです。現役のときにも合格したことがなかったので、受かり方が全然わからないまま挑んでしまったんだなと思いました。
だから、この年はやり方を変えたんです。自分の弱点を分析して、どのレベルまで上げないと早稲田に行けないのかをとても考えました。それまで『人気がある先生だから』という理由だけで授業を選んで受けていたのですが、自分の弱点を補強するための先生を探して、選んで受講しました」
彼の中で1浪以前と明確に変わったのは、「戦略を立てて、徹底的に考える」という姿勢でした。
授業でわからないことがあったら、その場で先生に聞いて、完璧になってから帰ることも徹底しました。勉強の質が前年よりも上がったことで、この年の模試の偏差値は70前後で安定するようになったそうです。
「『記憶』ではなく『理解すること』によって成績が伸び、勉強が楽しくなって積極的に取り組めた1年でした。国語は単なるテクニックに走らず、文章をちゃんと読んで理解する習慣をつけましたし、英文もライトな小説や論文として捉えて、英語で理解して日本語に訳すのではなく、日本語として通じる言葉に意訳できるようになりました。
受験科目の中でも、いちばん受けていて楽しかったし、今につながっていると思えたのは世界史の青木裕司先生の授業ですね。
『1853年にペリーが来航した』という事実だけ覚えるんじゃなくて、『すごい装備の黒船が来たことで、世界の脅威を知った日本中の空気が一変し、たった15年で日本社会を根幹から変えた明治維新のきっかけになった』というように『歴史は流れが大事、年号は歴史の流れの中にある点』という考え方を教えていただきました」
試験慣れすることで、自信をつける
この年はひたすら河合塾・代ゼミ・駿台の模試を受け続けたそうですが、もうできない問題はあまりなくなっていたそうです。
それでも彼には去年・一昨年の反省があったため、試験慣れをするためにセンター試験と、その後すぐにあった自身の偏差値から20ほど下の大学、赤本で9割以上取れる相性のいい立教大学を新たに受験しました。早稲田の受験に向けて、万全を期す手間を惜しまなかったことで、見事に本番への自信を蓄えることができたそうです。
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