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グラドル界を席巻「PPE」弱小事務所"勝利の戦略" 令和に飛躍した「よきゅーん」の経営者思考

東洋経済オンライン / 2024年4月21日 12時1分

しかし、彼女の飛躍とともに成長。やがて、多くの所属タレントを擁するグラビア界での一大勢力になった。

所属タレントには「私ではなく、偉いのはえなこ。雑誌にしろ、えなこがいなければ、開拓できなかった」と常々伝えている。その「根性」ある仕事ぶりにも、よきゅーんは厚く信頼を寄せる。

あるロケ番組への出演時、えなこに用意された衣装の締め付けが厳しかった。それでも「現場を乱すわけには」との思いから、一切の弱音を吐かずに本番をまっとう。

収録後、よきゅーんへ「衣装が苦しくて。後ろのファスナーを開けてもらってもいいですか?」と願ったというエピソードからも、えなこのプロとしての矜持が伝わってくる。

そして、よきゅーんは、その胆力も評価。

かつて、SNSで「枕営業」を疑うファンに対して、えなこは「常にもっと仕事をもらえるようにと、やりたいことや休みも自分の意志で削って仕事に向き合っている」「自分の力で年収3000万以上稼いでいます」と反論して話題を集めた。

ひとたび上り調子になってから、えなこの年収は「倍々にふくらんでいった」と、振り返るよきゅーん。

雑誌でのグラビア活動をスタートして以降、ファンに「雑誌を購入して、編集部へのアンケートを送ってほしい」と熱心にアピールしてきた努力や、「えなこ」としてのセルフプロデュース力など、その「ブランディング力」にも、敬意を込める。

所属タレントの数だけ、悩みがある。

その1人、グラビアアイドルであり、YouTubeではガンプラの製作動画などで注目を浴びる東雲うみとのエピソードも、よきゅーんは明かしてくれた。

自身のカレンダー発売イベントで「思いのほかたくさんの方が来てくださって、女性の方も多かった」と、よきゅーんに伝えた東雲。

当日まで、SNSでのあらぬ指摘に落ち込んでいたが、「私がやるべきはSNSの発言に怒ったり、落ち込んだりではない。目の前でイベントに並んでくれた方々を幸せにしなきゃ」と決意した東雲を、よきゅーんは「今それに気づけたのは偉い!」と称えた。

続けて「世の中には、人を幸せにできる立場の人間がいて、できる立場のうみちゃんは人を助けられる人間に」とアドバイス。元気を与え、元気をもらえる関係性はまさしく「Win-Win」となりうる。

それを出発点に「地位と名誉を手に入れたら、お金はあとでついてくる」というよきゅーんの持論もまた、説得力がある。

才能ある子が「食い物」にされないために

PPEは現在、過去に芸能界で苦汁をなめた経験あるタレントが「余生を楽しむ事務所」でもあると、よきゅーん。

弱小事務所所属タレントが軒並み、青年誌で表紙を飾る現状では「枕営業」も疑われるが「トップの私が女性なのに、そんなこと言われても」と、あっけらかんと反論。

芸能界では「女の子が食い物にされることも、正直ある」と述べるよきゅーんは、「女の子が安全に活躍できる、健全な事務所」も目指して奮闘する。

グラビア界を席巻している現状は、あくまでも通過点として「ヒーローが集う『週刊少年ジャンプ』のような事務所に。正攻法で、カッコよく勝ち続けたい」と宣言するよきゅーんの表情は、愛と野心に満ちていた。

*この記事の前半:ギネス記録"コスプレ&経営者"よきゅーんの半生

カネコ シュウヘイ:編集者・ライター

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