変わるグラビア業界の勢力図 老舗の大手事務所は破産、新興勢力が躍進
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月4日 9時26分
壇蜜(C)日刊ゲンダイ
壇蜜、吉木りさ、杉原杏璃ら人気グラドルを擁した芸能事務所「フィット」が破産したのは3月のことだ。
かねてギャラ未払いが続いていたというが、グラビア業界を牽引してきた老舗事務所の幕切れは世間を驚かせた。
一方、えなこ、東雲うみ、篠崎こころといった人気のコスプレーヤー兼グラドルが所属する「PPE」(PPエンタープライズ)の社長であり、自身もタレントとして活躍するよきゅーん(乾曜子)が「東洋経済オンライン」のインタビューに答えている。
PPEはすでにグラビア業界で大きな存在感を持つ勢力に成長しているが、その発端は「日本一のコスプレーヤー」だったえなことの出会いだったとよきゅーんは語る。また記事では、同社が抱えるタレントは、「多くのフォロワーを抱えるメガインフルエンサー」だと指摘している。
自己プロデュース能力+SNS戦略
さるグラビア業界関係者は「芸人や女優などの芸能事務所からの独立が相次ぐ中、グラビア業界も変わりつつあります」としてこう語る。
「かつては事務所のマネジャーがテレビ、ラジオに営業をかけて仕事を取ることが中心でしたが、今は、インスタやXの数字を見て、プロデューサー側からオファーするケースも増えています。それゆえ、自己プロデュースがうまいグラビアアイドルが活躍している印象があります。えなこや東雲うみといった子たちが、YouTubeやインスタ、Xなどを駆使してファンを囲い込んでいるのに対し、古豪の事務所はタレント独自の自己プロデュース力が乏しく、売れる子がなかなか出にくくなっているのではないでしょうか」
別のグラビア雑誌関係者も口を揃える。
「今は、SNSのフォロワー数は絶対的な指標です。『自己プロデュース能力』は必須ですよ。何を投稿して、何を投稿しないか、マネジャーがいたとしても逐一、そこまでのフォローはできません。編集長に撮影の許可を取るのもSNSのフォロワー数が決め手となる。そもそも某グラビア事務所は、街頭でのスカウトは一切せず、ビジュアルがよくてSNSでの発信力がある子を一日中ネットで探している専門部隊がいると聞きます」
「自己プロデュース能力」に加えて、さらに事務所ぐるみの巧みなSNS戦略があるという。
「例えば、ゼロイチファミリアやPPEのような新興のところは、“ユニット売り”というか“互助会システム”みたいなものができあがっていて、ひとりが雑誌の表紙になってSNSでそれを発信すると、他のタレントがそれをバーッと拡散するんですよ。それでどんどんバズらせて、グラビア周りをチェックしているファン、業界関係者の多くを巻き込んでいくわけです。タレントの個人プレーじゃないんですよ」(グラビア雑誌関係者)
前出の業界関係者はこう付け加える。
「最近では、元テレビ東京アナウンサーの森香澄が所属した『seju』などに代表されるIT系の会社がタレント部門をつくり、活躍させています。グラビアアイドルも、どこの事務所がこれからの時代に合っているのか、見極めて事務所選びをしているのではないでしょうか」
可愛くてスタイルがいいだけではダメ。グラビア業界も今どきは、ご多分に漏れず、SNS戦略が不可欠というわけだ。
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