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会議をしたがるリーダーが"独断的"といえる訳 部下たちの時間を奪わない分、会議しないほうがマシ?

東洋経済オンライン / 2024年4月24日 6時30分

上司のほうが部下にとって大事な「顧客」であるならば、そちらの意向を優先させることになります。

バイアス対策が組織を生かす

ここで見たような組織では、リーダーが独断をしつつ、会議という形を取って安心を得ようとしていました。その安心とは「一人で決めなくていい」というものです。

「リーダーは孤独」とよく言われますが、それは最終的に決断を自分でおこなわなくてはならないからです。最終的に選択するのがリーダーの仕事ですが、その際には常に心の中の仮想敵と戦っています。

いわば、自分が選択しなかった選択肢からの批判や、そちらのほうがよかったのではないかという思いです。そのような葛藤を少しでも緩和するために、人と話しておきたいのです。みんなで決めたとなると、責任が分散したように感じます。

「リーダーは孤独」という言葉の中には、リーダーは一人で責任を負わなくてはいけない、というニュアンスも入っています。それは本来のリーダーのあり方かもしれません。ただ、一人で責任を負うのは精神的に負担が大きいものです。

そこで部下と話をして、精神的負担を緩和しようとします。このようにして、精神的負担の緩和を試みるのが、独断的だが独裁になりきれないリーダーですが、それでもいったんことが起これば、避けられずに責任を負うこともあるでしょう。

部下のやる気が低下していく

あるいは、責任を負うようなことがとくに起こらなくとも、日々の組織の運営に、バイアスから来るさまざまな問題がひそんでいれば、それは徐々に組織をむしばんでいくかもしれません。それは、部下のやる気が低下したり、定着率が下がったり、会議で発言しなくなったりといった形で表れてきます。だからこそ、リーダーにはバイアス対策が必要なのです。

バイアスを完全に消し去ることはできません。しかし、バイアスの効果を知り、対策を取っておけば、いざというとき傷を浅くすることも可能です。問題が徐々に大きくなりつつあるときに、途中で気づくことも可能になるでしょう。

また普段の事業において、リーダーは重大な決断の連続です。バイアスに囚われた選択をしたことで、重大なピンチに陥らないようにしなくてはなりません。

藤田 政博:関西大学社会学部心理学専攻教授

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