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STARTO始動でテレビ・出版は"忖度"を払拭できたか 旧ジャニーズ時代からの変化とリアルな現状

東洋経済オンライン / 2024年4月27日 12時50分

これまでとの違いは、「キャスティングは忖度ベースではなく、売り上げを得ることを第一に行う」「その際、適正範囲内での配慮はする」というスタンス。この点では一般企業と変わらない、よくあるビジネス上の取り引きや駆け引きなのかもしれません。

ただ、もしSTARTOや所属タレントが不祥事を起こしたら、民放各局は忖度せずにしっかり報じられるのか。つまり、エンタメと報道の分離については注視していく必要性があるでしょう。

出版社はまだ“過去維持”の姿勢

次に出版社はSTARTOに対して忖度などをしているのか。

雑誌、漫画、ウェブ版などにSTARTOのタレントが出演してもらえるか。さらに言えば、写真集やカレンダーなどを手がけられるか。

前述したようにSTARTOのタレントは、ファンの熱が高く、物販に強いだけに、これらは出版社にとって売り上げを左右する極めて重要な問題。ジャニーズ事務所からSTARTOに変わっても「絶対に怒らせてはいけない」という存在であることは変わらず、現場レベルでは「最大限の配慮が必要」という意識のままです。

旧ジャニーズ事務所との長いつき合いの中で、「何度か怒られた」「撤退をほのめかされた」という編集者は筆者が知っているだけでもかなり多く、その過去がトラウマのようになって今なお社内に残っている節があります。彼らと話していて伝わってくるのは、「これまで通り穏便に進めたい」「急には変われない」という“過去維持”のスタンス。

たとえば、筆者がSTARTOの所属タレントについてコラムを書こうとすると、「まだ社内でOKが出ていない」「リスクがあるので、もう少し様子を見させてほしい」などとストップがかかってしまいます。編集部員たちも立場や査定があり、会社員として売り上げが重要なだけに、もし福田淳社長が「忖度は不要」「自由に書いてください」と言ったとしても、そう簡単にスタンスを変えられないのでしょう。

ちなみにこのようなコラムを書けるのは、東洋経済オンラインが独立性や中立性の高い媒体だから。STARTOとビジネスの関係性が深い出版社の雑誌やウェブ版などは、まだまだ「もめごとになる前に回避する」という自主規制の意識が強いようなのです。

出版社も営利企業である以上、このような姿勢を単純に「良くないこと」と決めつけて批判するのは乱暴にも見えます。ただ、テレビ局と同じようにメディアとしては、もしSTARTOや所属タレントが不祥事を起こしたら忖度せずに報じなければ信頼を失ってしまうでしょう。

木村 隆志:コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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