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「LCCって大体2機種のどっちかだよね」なぜ? 737とA320、ここまで選ばれる納得のワケとは

乗りものニュース / 2024年4月19日 7時42分

上がスプリング・ジャパンのボーイング737、下がピーチのエアバスA320(乗りものニュース編集部撮影)。

LCCでは、ボーイング737シリーズと、エアバスA320シリーズの2機種が使用機材として選ばれるケースが多数です。数ある旅客機のなかで、なぜ2つが選ばれるのでしょうか。

すべてが「ちょうどいい」?

 LCC(格安航空会社)では、ボーイング737シリーズと、エアバスA320シリーズの2機種が使用機材として選ばれるケースが多数です。国内の2大LCCであるジェットスター・ジャパン、ピーチではエアバスA320シリーズを、JAL系のスプリング・ジャパンや米大手のサウスウエスト航空、欧州大手のライアンエアーではボーイング737を使用しています。なぜここまで選ばれやすいのでしょうか。

 LCCではコストを下げるため、使う機種をひとつに絞るのが一般的です。同じ機種であれば、パーツも同じものを使えるなど整備コストを下げられるほか、機種を変えるごとに免許の一部を取り直す必要があるパイロットもその手間が省けるため、コストを減らせます。

 そのなかでも2機種のLCC仕様機は200席を切る程度で、利用者が比較的少ない路線では空席を防げるサイズである一方、幹線では満席の状態で高頻度運航することで売上を伸ばせます。

 また、大型機のように乗り降りに時間が掛からず、すぐに折り返しできるのもメリット。航続距離も4000~5000km程度でり、国内線から短距離国際線までカバー可能です。

 また、ボーイング737シリーズと、エアバスA320シリーズは、2社それぞれにとってのベストセラー機です。そのため比較的値段が低いこと(1機110億円前後。たとえばボーイング777-200ER型機は330億円)、またリース会社など、調達経路や売却先がたくさんあることも、LCCをはじめとする後発系航空における同シリーズの普及を後押ししています。

2機種以外を使うケースも

 これに加えて、両シリーズとも胴体延長タイプや航続距離延長タイプといった派生型も多く、パイロットの免許も標準型と統一されているほか、パーツのほとんども共通化されています。そのため、「高需要路線に胴体延長タイプを投入する」などの戦略を取りやすいのも特長です。

 たとえばエアバスA320を主力機とするジェットスター・ジャパンでは高需要路線向けに、ピーチでは国際線向けに、ともにA320の胴体延長・航続距離延長タイプのA321LRを導入しています。

 なお、長距離を飛ぶLCC系となると、これらの事情は多少異なるようです。

 たとえばJAL系の中長距離LCC系であるZIPAIR(ジップエア)、ANA系の中距離LCC系のAir Japanでは、ボーイング787を主力機に選定しています。

 787はボーイングの複通路新鋭機ですが、2社の保有機の多くはJAL・ANAの主力機だったものを転用した機体が多くあり(ZIPAIRは新造導入もあり)、グループ内で整備が共通化できることもメリットでしょう。また787は燃費効率が高いことをセールスポイントに掲げており、運航コストが低いことも選定理由としてありそうです。

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