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「このドラマでは東京がメインキャラクター」「これからどうなるのって、1週間ドキドキ、イライラしながら待つ時間を過ごしてほしい」アンセル・エルゴート、渡辺謙「TOKYO VICE Season2」【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年4月9日 15時9分

渡辺 彼は、撮影が1週間ぐらい空いたり、他のシーンを撮ったりしている時は、日本のあちこちを旅行していましたから。撮影をしている中にいると、そんなに話が広がっていかないけれど、いろんな所に旅をして、いろんな人と会ってしゃべっているので、初めて触れる言葉とか違う内容の話をいっぱい聞くわけです。それでうまくなっているんだと思います。

-渡辺さんも、ハリウッドで仕事をしているので、英語と日本語の違いや難しさは分かると思いますが、彼の日本語の上達ぶりはすごいですよね。

渡辺 日本語はすごく難しいですよね。英語が簡単かと言うと、僕にとっては簡単ではないんだけど(笑)。日本語にはいろんなレイヤー(階層)があるじゃないですか。例えば、警察用語も、やくざの言葉もジャーナリストの言葉もあるし、いろんなジェネレーションも含めて、使うワードも違うわけです。その中には敬語もあれば、数のカウントの仕方も違う。そういう非常に難しい言語なので、とにかくしゃべり続けることが必要だと思うんです。その点でも、彼はスタッフともできるだけ日本語でしゃべるようにしていましたね。

-このドラマの舞台が1990年代の日本で、東京の闇や裏社会が出てきますが、何か東京が別の街に見えるようなところがあります。それはやはり外国のスタッフが撮っていることが大きいのでしょうか。また、このドラマが描いたテーマについてはどう思いますか。

渡辺 撮影監督も脚本家も日本人ではないので視点が違うというのはありますよね。ただ僕は、90年代というのが非常に興味深く、面白い年代だったと思うんです。みんなが心のどこかにわだかまりや闇を抱えている。まだまだ旧時代のアナログ的な精神構造や社会構造、しがらみも抱えている。このドラマは、そういう中で起こるクライムサスペンスなので、もしかすると今の時代のゆがみみたいなものの原点がここにあるような気がするんです。加えて、ある種のノスタルジーもあるし。われわれがちょっと道を間違えたかもしれない原点がここにあるかもしれないというのが、このドラマ全体の大きなフレームの一つなのかもしれないと思います。

 結局、今まで日本ではこういう問題はあまり描けていなかったと思います。例えば、政界と裏社会、危ない宗教とのつながりとか。だからこのドラマは目新しいように見えるけど、「社会ってこんなもんだよね」という話です。そういう意味では、いわゆるジャポネスクみたいなことではなくて、本質的なものにやっと切り込み始めたんだと思います。こういう問題は世界のどこにでもあるわけです。例えばアメリカは政界と製薬会社の癒着などを平気で映画で描くじゃないですか。でも日本ではなかなかそこまで踏み込めないし、切り込めなかった。でもそれを、フィクションではありますが、こうやって切り込んでいくという点では、目新しいドラマになっているのかもしれないです。

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