三菱商事・ALSOKが1・2位大株主の日本ケアサプライ、その強さを改めて感じた
財経新聞 / 2024年4月10日 8時58分
日本ケアサプライ(東証スタンダード。以下、ケアサプライ)。福祉用品のレンタル卸しの大手。なんと言っても、1位・2位大株主が三菱商事(38.2%保有)、ALSOK(30.3%)が最大の目玉。
三菱商事が設立したき企業であり、2020年12月にALSOKと資本業務提携した。ALSOKは現状で全国約30万世帯を顧客としており、ケアサプライにとっては最良のパートナーと言える。
が私は当初、1・2位株主の持ち株比率が高すぎる。浮動株比率は13%余水準。個人投資家が食指を動かしづらいのではないか・・・と疑問に思った。
しかし本稿作成中の時価は1900円余水準、予想税引き後配当利回り2.9%余。単位株投資の魅力は認めざるをえないし、過去9年3カ月余りの調整済み株価パフォーマンスは2.7倍強と中長期保有の魅力も示している。 ケアサプライが評価を受けるそもそもは、業績の推移/配当政策に求められる。コロナ禍の影響が出始め、業界も厳しさを余儀なくされた2020年3月期/21年3月期も「9.9%増収、3.7%営業増益、配当性向47.8%」「10.1%増収、21.2%営業増益、41.2%」。22年3月期は「10.8%増収も10.9%営業減益」も10円増配70円配/71.8%。
決算資料も「レンタル売り上げ増に伴うレンタル資産購入による減価償却費や物流費の増加、新設営業拠点増による人件費・開発費なよるコスト増」と「先々を見据えたコスト増」と説明している。
今3月期は「12.0%増収(290億円)、8.6%営業増益(23億円)、5.7%最終増益(16億円)」計画に対し、第3四半期で累計「210億9600万円、15億8300万円、10億6400万円」を積み上げている。
そして決して珍しい商品とは言えないが、利用者の「おむつ漏れ」を改善する商品:おむピタなど高齢者の生活支援物販にも注力している。「バランス弁当」なども、その一つ。病院・介護事業者・在宅者向けの冷凍総菜・弁当。普通食・やわらか食に加えムース職も用意。老齢者は呑み込む力が衰えがち。誤嚥性への対応食だ。
新しい動きとしては、福祉用具・高齢者用生活関連商品のEC(サイト)展開に注力が挙げられる。
2024年度の介護保険制度の改正で、福祉用品の一部がレンタルか販売かの選択制になる。「ケアサプライが取り扱い用品の拡大を今後も進めていく上では、ネックになる」という指摘もある。否定は出来ない。がこの間も難問を潜り抜けて着実な歩みを続けてきたことも、事実である・・・
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