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【海外発!Breaking News】脳梗塞を克服した英国人女性、ロシア訛りの英語を口にするように

TechinsightJapan 2019年3月18日 21時0分

5年ほど前に脳梗塞を患った後、再び会話能力を取り戻したイギリスの女性が、これまでの地元訛りではなくロシア人やドイツ人のような英語のアクセントで話すようになったという。『Liverpool Echo』『Metro』などが伝えた。

マージーサイド州リバプールに住むローズ・グリフィスさん(69歳)が、勤務中だったスーパーチェーン店「ASDA(アズダ)」で突然倒れたのは、2014年のことだった。

脳梗塞を起こしたローズさんは、利き手だった右側の動きだけでなく、会話能力や読み書き能力を一時的に全て失ってしまった。医師には「もう二度と歩行も会話も無理でしょう」と伝えられたローズさんだったが、「もう一度話せるようになりたい」という強い意思で厳しいリハビリを続けるうちに、再び歩行を学び、左手を使って文字を書けるようになった。

ところがローズさんの話し方が、脳梗塞前のリバプール訛りではなくロシア人英語のアクセントになってしまった。これは、脳梗塞などにより起こる珍しい医学的症状で「外国語様アクセント症候群」と呼ばれるものだそうだ。一般的に近似する地域訛りを特定付けられることが多いが、実際はそのように聞こえるだけであって、患者が新たに特定の訛りや他の外国語を習得しているわけではないという。これまでの強いリバプール訛りではなく、聞き慣れないアクセントで話すことに誰より驚き、戸惑ったのは、地元リバプール市内で生まれ育ってきたローズさん本人だった。

更に、そのロシア人英語のアクセントは東欧人が話す英語アクセントに変わり、その後はドイツ人訛りの英語になった。脳梗塞から約5年経った現在、「もう二度とリバプール訛りは戻ってこない」ということを受け入れなければならないと覚悟しているローズさんは、これまでの状況を次のように話している。

「最初は誰ともコミュニケーションができず、とても苛立ちました。人と話すのが好きな私ですが、脳梗塞後は周りの誰も話しかけてこなくなったんです。きっと私が理解できないと思ったんでしょう。とても孤独でした。会話能力が戻っても、ロシア訛りになったりして…。でも、どうしても会話能力を改善させたいと思い、Stroke Association(脳卒中協会)に参加してサポートを受けて以来、会話能力は改善しています。今は人と話すと、みんな私が脳梗塞でこのようになったと理解してくれているので、我慢強く聞こうとしてくれます。もう一度話せるようになるなら、リバプール訛りが戻らなくても構いません。」

今のローズさんは地元グループでボランティアをしたり、マージーサイド州全体の慈善サービス活動に参加したりしている。これまでのローズさんを支えてきたのは、2人の娘とマージーサイド州の脳卒中協会「Life After Stroke Group」だそうだ。脳卒中後のショックは患者の感情にも大きなインパクトを与えることから、同協会では患者のサポートを行っており、ローズさんにとって協会に参加して人と話すことは、大きな救いになっているという。「もう一度話せるようになりたいという、強い意思を持つ私の背中を押してくれる心強い存在」と語るローズさんの会話能力が、今後更に改善するのを願うばかりだ。

画像は『Liverpool Echo 2019年3月9日付「Scouse mum regains speech after stroke - but is shocked when her accent turns Russian」(Image: Rose Griffith/Stoke Association)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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