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「頭痛を甘く見るな」危ない"警告頭痛"の4大特徴 致死率は40%「くも膜下出血」の前触れとは?

東洋経済オンライン / 2024年4月6日 11時50分

くも膜下出血は「激烈な頭痛」のイメージがあるかもしれませんが、「我慢できる程度の頭痛」で始まることもあります(写真:YAMATO/PIXTA)

音楽グループglobeのボーカルKEIKOさんも患った「くも膜下出血」。致死率40%の怖い病気だ。

発症すると、「突然バットで殴られたような激烈な頭痛」に襲われるといわれているが、実際は必ずしもそうとは限らず、約20~30%は「我慢できる程度の頭痛」で始まるらしい。

くも膜下出血で命を落とさないために、見逃してはいけない頭痛の兆候や、医療機関のかかり方、そして受診時に「やってはいけないこと」などについて、脳神経外科医の金中直輔医師(かねなか脳神経外科院長)に聞いた。

昼食後にコーヒーを飲んだ瞬間…

職場で同僚と話しながら昼食を食べていた会社員Aさん。

【写真で見る】術中の脳の様子。中央下にある丸っこいものが「脳動脈瘤」

食後のコーヒーを一口飲んだ瞬間、後頭部に痛みが走った。経験したことのない痛さだったが、1時間ほど安静にしていると消失したので、そのまま帰宅。翌日、シャワーを浴びている途中に再び痛みが起こり、近くの脳神経外科クリニックを受診したところ、くも膜下出血だった――。

これは、「我慢できる程度の頭痛」で始まるくも膜下出血の典型例だ。

脳は、外側から硬膜・くも膜・軟膜と呼ばれる3つの膜で包まれている。くも膜下出血は、このうちのくも膜と軟膜の隙間「くも膜下腔(くう)」に出血が起こることをいう。

原因の約80%は「脳動脈瘤(りゅう)」といわれる血管のふくらみ。血圧の上昇などにより、この瘤が破裂することで発症する。

20~30%は一過性の頭痛で始まる

金中院長は言う。

「くも膜下出血についてネットなどで調べると、『激烈な頭痛の後、意識を失い、そのまま亡くなる』という書き方をしている記事が多い。しかし、20~30%の人はAさんのような症状で始まることがわかっています」

これを「外来に歩いてやってくるくも膜下出血の患者」という意味で、専門医の間では、「walk-in SAH(歩いてくるくも膜下出血、SAHはくも膜下出血の略)」と呼んでいるそうだ。

本稿では、この「ウォークインくも膜下出血」について話を進めよう。

金中医師によれば、ウォークインくも膜下出血の頭痛は、脳動脈瘤からの出血が少量だった場合に起こる。この頭痛を「警告頭痛」と呼ぶこともある。

一般的に、くも膜下出血を起こすと、血液がくも膜下腔にたまり、その圧で髄膜が刺激されたり、頭蓋(ずがい)内圧が上昇したりすることで、頭痛や吐き気、意識障害をきたしたりする。

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