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シンジェンタの上海IPO取り下げ、市場への影響懸念し当局が指導

ロイター / 2024年4月4日 9時53分

 中国の化学企業、中国中化集団(シノケム)傘下のスイスの農薬・種子大手シンジェンタが3月29日に上海証券取引所への新規株式公開(IPO)を取り下げた背景には、大型IPOによる株式市場への影響を懸念した中国当局の指導があったことが、関係者4人の話で明らかになった。写真はシンジェンタのロゴ。2020年1月、スイスのバーゼルで撮影(2024年 ロイター/Arnd Wiegmann)

[3日 ロイター] - 中国の化学企業、中国中化集団(シノケム)傘下のスイスの農薬・種子大手シンジェンタが3月29日に上海証券取引所への新規株式公開(IPO)を取り下げた背景には、大型IPOによる株式市場への影響を懸念した中国当局の指導があったことが、関係者4人の話で明らかになった。

シンジェンタは昨年5月にIPOを申請し、1カ月後には証取の上場委員会の審査に合格していた。しかし中国証券監督管理委員会(CSRC)もしくは国務院(政府)指導者らのゴーサインを得られず、今年3月にCSRCからIPOを取り下げるよう非公式の指導を受けた。

中国の株式市場は年初から不安定な展開が続いている。今回の経緯は、中国当局がIPOよりも流通市場での投資家の信頼感回復を優先していることを印象付けるものだ。

アナリストからは、大型IPOによる流動性の吸収が中国株急落の一因になったと指摘されている。中国当局は先月、IPO候補企業への監視を強化すると表明していた。

シンジェンタのIPOは、中国企業として今年最大、世界全体で見ても最大級の規模になるとみられていた。

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