連合の春闘賃上げ率、3次集計は5.24% 中小組合健闘で高水準維持
ロイター / 2024年4月4日 17時18分
4月4日 連合が4日発表した2024年春闘の3次集計によると、基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げ率は平均で5.24%となった。写真は2023年10月に都内で撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Kentaro Sugiyama
[東京 4日 ロイター] - 連合が4日発表した2024年春闘の3次集計は、基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げ率が平均で5.24%だった。2次集計からわずかに下方修正されたが、前年同時期比では1.54ポイント上昇した。中小組合の健闘が目立つという。
賃上げ率は1991年の5.66%(最終集計)以来33年ぶりの高水準。会見した芳野友子会長は「新たな経済社会へのステージ転換に向けた大きな一歩になっている」との認識を改めて示し、この先も交渉が継続していく中で高い水準が維持されることに期待を示した。
傘下労働組合の要求に対する4月2日午前10時時点の企業側回答をまとめた。「平均賃金方式」で回答を引き出した2620組合の賃上げ額は平均で1万6037円、賃上げ率は5.24%だった。
このうち、組合員300人未満の中小組合1600組合の賃上げ率は4.69%となり、2次集計の4.50%から上昇した。芳野会長は要因について「中小・小規模事業者にとって人材不足の問題が大きく、人の流出に歯止めをかけるための賃上げが必要ではないか」と分析した。
ベアと定昇を明確に区別できる2159組合のベア分は1万1078円、率は3.63%で、この集計を開始した2015年以降で最も高くなった。
3月22日に発表した2次集計の賃上げ率(定昇込み)は5.25%。例年、集計を重ねるにつれて賃上げ率は下がっていく傾向にあるが、政府が目指す物価上昇を上回る賃上げの実現には中小・零細企業に賃上げの流れを波及させ、下方修正の幅を小さくとどめていくことが重要とされている。
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