アフリカ温暖化、世界の他地域より急速 紛争リスクに＝国連報告

　９月４日、国連とアフリカ連合（ＡＵ）は、アフリカの温暖化が世界の他地域より急速で、干ばつなどの気候・気象災害がより深刻となっているとのリポートを発表した。写真はスラム街で水を汲むために集まった住民たち。ケニアのナイロビで撮影（２０２３年　ロイター／Thomas Mukoya）

Emma Farge

[ジュネーブ ４日 ロイター] - 国連とアフリカ連合（ＡＵ）は４日、アフリカの温暖化が世界の他地域より急速で、干ばつなどの気候・気象災害がより深刻となっているとのリポートを発表した。

アフリカの気候状況をまとめた同リポートは、ケニアで６日まで開かれる「アフリカ気候サミット」初会合に合わせ世界気象機関（ＷＭＯ）が公表。

それによると、アフリカ大陸で昨年発生した極端な気候・気象による災害は８０件。非常事態のデータベースを引用し、過去４０年で最悪だったアフリカ東部地域の干ばつやアルジェリアの森林火災などの災害で５０００人が死亡、８５億ドル超の経済損失が生じたと算出した。ただ、実際の数字はこれを上回る公算が大きいとした。

リポートは「世界全体に占めるアフリカの温暖化ガス排出はわずかにもかかわらず、気候変動によって不当に深刻な被害を受けている」と指摘。「気候変動と天然資源基盤の縮小により、生産性のあるわずかな土地や水、牧草地を巡る紛争が激化する恐れがある。こうした地域では、土地を巡る圧力の高まりで農業・畜産業従事者による暴力事件がこの１０年で増加している」と述べた。

２０２１年におけるアフリカ人の１人当たりの二酸化炭素排出量は１．０４トンと世界平均の４分の１以下。一方、１９９１─２０２２年の気温上昇は１０年平均で０．３度と、世界全体の０．２度を上回っているという。

＊カテゴリーを追加して再送します。